第3話 新天地 その2
私、、、ハナ、になったのね?
ここはどうも、ドエル帝国国内らしい。と、言うことは、、、私は不法脱国したらしい、、と、言うことは、、、犯罪者?、、、と、言うことは、、、もう、国には帰れないのね?
頭を整理しながら歩いていた。
犯罪者?、、、、馬鹿、って言われそう、ジュリに。
家族、、、父と義母、義妹、、、に、未練はない。国民は大変だと思うけど、、、、
ジュリ、、、、、、そうね、、、もう、婚約は無しになっているでしょうね。あの人は、背も高くてかっこよくて、文武両道で、、、王配にならないと決まったら、縁談が山のように来るんでしょうね、、、義妹がいつも、お姉さまにはもったいない!と、言っていたから、、、義妹と?、、、、、そうね!それが一番合理的だわ、、、、
考え事をしているうちに、集落らしいところに着いた。ぽつんぽつんと家がある。
もらった地図を広げて、見えるところまで目を近づける。
目印は、、、大きなもみの木、、、、
こじんまりとした一軒の農家のドアを叩く。
「こんにちは!紹介されてまいりました。」
「・・・・おお、マーサさんのところの紹介かい?待ってたよ!!」
「ハナと申します。今日からよろしくお願いいたします。」
「ああ、、こちらこそよろしくね!!」
マキシさんの奥さんは、お昼ご飯を出してくれて、屋根裏の小さい部屋に案内してくれた。私の手荷物が全くないのは了承済みのようで、
「娘の着替えが置きっぱなしだから、そのまま使っておくれ。忙しくなるから助かったよ!!仕事は明日から。よろしくね!!」
と、嬉しそうに言った。・・・・・何をやるのでしょうか??
取り合えず、、、、お昼寝してみました。
*****
手違いがあった、と、知らせが来た時には、ローラの護衛につけたエミルを切り殺してやろうかと思った。
どうも、エミルがドエル帝国に入るのに、思ったより時間がかかってしまったらしい。お迎えがなかったローラは、世話人のマーサの手を離れ、農家の住み込みの仕事に就いたと報告が来た。
本人が思ったより楽しそうに働いているので、そのまま様子を見る、と?
老夫婦の農場で、三食昼寝付き。昼寝は、日中暑すぎて働けないから、体力温存のためらしい。
・・・・農家の仕事なんか出来るのか?
まあ、、、、あいつのことだから、面白がってやっているのかもしれない。
日に焼けないだろうか?手に豆とか、、、剣術の練習を始めた時みたいに、、、、
エミルも通いで、、、マーサの家から、、、隣の農家で仕事を始めたらしい。
それはまあ、一緒に住み込みというわけにもいかないから、、、、
あいつは、髪を茶色に染めて、ぱっと見はすっかり庶民みたいだ、と。
・・・染めたんだ、、、茶色?うまく想像できないな、、、
段取り通り、国に戻そうかとも思ったが、、、、、しばらく様子を見るか、、、、
落ち着くまではそのほうが安全かも。