授業 -基礎学習と訓練-
中等部は現在2年と3年、合計5名が在学している。
3年生は、ルームメイトの1068番と男子生徒の1069番。
2年生は隣人の1070番と喧嘩するほど仲がいい1073番と1074番だ。
基礎学習では、午前の部に国語・算数・英語・理科・社会を曜日ごとに学ぶ。
中等部は、人数が少ないため一緒に授業を受けている。
「……(1074番)」
「血液の循環について、動脈と静脈の違いは……」
「………(1074番)」
「不定詞はto+原形で……」
「…………(1074番)」
「先生~1074番が授業に飽きてついていけていません。」1070番が先生に言う。
「1074番さん。あとで職員室にきてください。」
40代の男性職員に注意を受けた。
「えーーーん」絶対に鬼のような課題をやるはめになる…
1074番は、興味がないことには一切頭に入らないのだ。
「後で勉強見てあげるよ」小声で1069番が言ってくれた。
感謝っ!と手で拝むと、勝手に殉職させるな、とどつかれた。
基礎学習が終わると昼食の時間を挟み、いよいよスキル訓練の時間になる。
スキル訓練は体育館のような広い建物で行う。
白衣をきた女性教師と一緒に訓練を行う。
「今日はシールドのかけ方を学びます。
この世界は、イハのシールドによって他国の攻撃や災害から守っているのを学びましたね。」
「やり方は身体の中心にエネルギーを最大限にため、そのエネルギーを両手に流し体外へ放出させます。エネルギーをためるときに、「asupida」を心の中で詠唱してくださいね。」
そういうと、教師がお手本を見せてくれた。
両手からは光が放たれ、近くにあった箱を光で覆った。
「それでは今日の課題は、この小さな箱にシールドで覆うことを目標にしましょう。
まずはエネルギーをためる訓練から開始です!」
生徒たちはバラバラに離れ、自主練習をおこなう。
「うーーーーん……」唸っているのは、1070番。
どうやらエネルギーをためるのに苦労をしているようだ。
エネルギーをためるには、かなりの体力が必要である。
さらに一定の場所から放出するのは、高い技術力が求められるのだ。
将来はこのシールドを国全体にかけることを求められる。
初等部からエネルギーをためる訓練をずっとしてきたが、やはり得意不得意分かれる。
「できた~!」一番に声をあげたのは、1074番。
あっという間に箱にシールドを覆い、使い方をマスターした。
次に声をあげたのは、1073番。「よしっ。できました。」
その次は、先輩組の2人も課題をこなせた。
「できた…はぁはぁ…」
相当のセンスと体力が必要のため、2人とも座りこんで肩で息をしていた。
「さすがは1074番さんと1073番さんね。」
2人は今世紀最大の力を持っていると将来期待されている。
「将来は5大都市に遣う守護神になるでしょう。」
5大都市とは、東・西・南・北・中と5つの都市に
イハの最も力を持つ能力者がシールドをはっている。
この5人は守護神と呼ばれ、番号ではなく名前で呼ばれている。
東市はキアン様。
西市はカノア様。
南市はウィル様。
北市はアテネ様。
そして最も力が必要な中心都市は、ソフィア様。
「は~私にとっちゃ守護神様なんて夢のまた夢よ~。」1070番も課題をなんとかクリアをしたが、力を使いきり床に寝そべった。
「1070番さんは、勉学が得意なので行政に向いているかもしれませんね。
でもまだまだ学生のうちは諦めずに精進しましょう!」教師は1070番さんの手を引っ張り起こした。
「俺たちも負けてられないな。」1069番が1068番にいう。
「ほんと!でも1074番はスキル訓練以外も頑張ってほしいわ(笑)」1069番が呆れたように言う。
「はははははっ 本当にそれ!」その言葉にみんな大笑いした。