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会話物語

はじめての守護霊!

じぃじ…初孫の守護霊をはじめてする幽霊。娘と孫命!(死んでるけど)

娘ちゃん…じぃじの娘。霊感ツヨ子ちゃん。

孫ちゃん…三歳の女の子。じぃじの気配は感じるらしい。


じぃじ『さて、娘よ。守護霊って何するの? じぃじ分からんのやけど』


娘ちゃん「えっ⁉ お父さん、守護霊初めて⁉」


じぃじ『やったことある人……いや、やったことある幽霊いる⁉』


娘ちゃん「『日和ってるやついる⁉』みたいに言わないで!」


じぃじ『シィ! 孫ちゃんが隣で寝てるんだから』


娘ちゃん「誰のせいよ……!」


じぃじ『あれ、続きどうなったん? じぃじ、途中で死んだから続き知りたいんだけど』


娘ちゃん「え? あたし観てないから知らんよ」


じぃじ『えぇ……あ、孫ちゃんと一緒に観ればいっか』


娘ちゃん「孫、まだそれ観る歳じゃないよ。パンマン観て、パンマン」


じぃじ『少年ジャンボはまだはやいか……』


娘ちゃん「連載はマガシンだよ。てか、どっちでもいいよ。孫は女の子なんだから」


じぃじ『娘よ、最近はそういった垣根はあんまりないんてよ? だから、じぃじが枕元で「あの続きをぉ」って言えば興味持って、少年系の漫画とかも』


娘ちゃん「悪霊みたいなことすんのやめて? お父さん、守護霊するんでしょ?」


じぃじ『あっ、そうだった! で、娘よ、守護霊って何するの?』


娘ちゃん「守護だから、……守るのよ」


じぃじ『どうやって?』


娘ちゃん「どうやって? さあ?」


じぃじ『さあって……娘よ、幽霊にそういうことを教えてもらわなかったの? 昔から霊感強かったんだから、何か訊いてない?』


娘ちゃん「そんなこと教えてくれる幽霊なんていないよ」


じぃじ『みんな薄情だなぁ』


娘ちゃん「みんなが亡くなった後に守護霊してると思うなよ?」


じぃじ『今は定年後も働く時代だぞ? 死んだ後も働くもんだろ』


娘ちゃん「ゴーストハラスメント……?」


じぃじ『略して、ゴスハラ?』


娘ちゃん「略すな!」


じぃじ『シィ!』


娘ちゃん「あっ……税金払わなくていいんだから、働くとか考えなくていい」


じぃじ『じゃあ、ダラダラ背後にいればいい?』


娘ちゃん「それただの背後霊! てか、金のかからんニート! だったら成仏した方がいいんじゃない?」


じぃじ『えぇ! やだやだやだぁ! 命より大事な娘と孫を守るんだい!』


娘ちゃん「静かに! って……お父さんの声はいいのか。気持ちは嬉しいけど……うぅん、まあ、……あっちゃいけないけど、私が目を離しちゃって、道路に飛び出した時に抱えて助ける、とか?」


じぃじ『じぃじ、体力は無限になったかもしれないけど、触れないよ?』


娘ちゃん「役に立たねぇな……」


じぃじ『実の父親だったじぃじになんてこと言うんだ、娘よ……』


娘ちゃん「あ、ごめん。言い過ぎた」


じぃじ『うむ。しかし、守護霊はやってみんと分からんか。仕事っちゅうんは、そういうもんだもんなぁ』


娘ちゃん「……ねぇ、ほんと、成仏してくれていいんだからね?」


じぃじ『成仏しても何もないからなぁ』


娘ちゃん「完全に定年後のお父さんみたく言うのやめて。いや、お父さんなら、ちゃんと幸せな死後の世界に行けるって」


じぃじ『ここにいることが幸せだからなぁ』


娘ちゃん「守護霊としているんじゃなくて、もしかして、未練があるんじゃない?」


じぃじ『あのアニメの続きが観たい?』


娘ちゃん「だったら、即成仏してくれ」


じぃじ『なんでよ⁉ 今、サブスクで見逃し配信とはやってくれてるけど、何十年前とかまで遡って配信前配信とかやってくれないかな?』


娘ちゃん「そのサブスク作る前にネコ型ロボット作んなきゃ」


じぃじ『あぁそっか。まあ、じぃじなりに初心者守護霊として、がんばりますわ』


娘ちゃん「……お父さん、ごめんね」


じぃじ『ん?』


娘ちゃん「私がシングルマザーでまだ転職先が決まってないから、心配なんだよね?」


じぃじ『心配は心配だけどさぁ。俺と母さんの娘だから、優しいし根性はあると思うけど、それだけで子育てはできんから』


娘ちゃん「大丈夫! 子育て支援とかあるから!」


孫ちゃん「……ママ……」


娘ちゃん「あっ、ごめん! 起こしちゃった?」


じぃじ『ごめんよぉ、僕のマイエンジェルゥ』


娘ちゃん「僕とマイで二重なんよ……」


孫ちゃん「じぃじ、いるん?」


じぃじ&娘ちゃん「え?」


孫ちゃん「まごちゃん、ひとりでだいじょうぶ」


じぃじ『ママの口癖が移っちゃったかな』


娘ちゃん「……大丈夫じゃない……全然大丈夫じゃ……子育ても、将来も……不安だよ……」


じぃじ『娘よ……』


娘ちゃん「じぃじ、遺産は?」


じぃじ『あるように見えます?』


娘ちゃん「見えない。世界が滅んでも見えない」


じぃじ『さすが娘。分かっているな。魔王になれるかな?』


娘ちゃん「なれません。はぁ……もう」


孫ちゃん「ママ、だいじょうぶ?」


娘ちゃん「あぁ! もう! 今も、将来も、いろいろとものすごぉく不安だけど! 私達ふたりなら大丈夫!!」


孫ちゃん『だいじょうぶ!!』


娘ちゃん「そう! 大丈夫! 根性だ!」


じぃじ『いや、さっき根性だけじゃ子育てできないって言ったばっか……あっ、そういえば』


娘ちゃん「なに?」


じぃじ『孫ちゃんにねだられて、スクラッチ買ってたの忘れてた』


娘ちゃん「もう……そんな風にちまちま使っちゃうからぁ」


じぃじ『いいじゃないか。孫ちゃんが喜んでくれるんだし。それに、当たってるかもしれんぞ!』


娘ちゃん「こんなので当たったらさぁ」


孫ちゃん「まごちゃんがやる! まごちゃんがやるのぉ!」


娘ちゃん「はいはい」


 孫ちゃん、必死でスクラッチを削る。


娘ちゃん「どうせ当たらな……」


孫ちゃん「ねぇねぇ、ママ。これなに?」


娘ちゃん「えっ? ど……」


じぃじ『どした?』


娘ちゃん「えっ? え? ん?」


じぃじ『ん? ……んん?』


孫ちゃん「ママ?」


娘ちゃん&じぃじ「ええぇぇ――⁉」






~おわり~

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― 新着の感想 ―
[良い点] 肝心の事を忘れてましたけど良いお父さんですね……。 [一言] 見えたら見えたで苦しそうですが、こうやって霊と話せる世界というのに憧れもあります。 ただ自身の親類の霊は怖くないかもしれないで…
2024/01/14 16:48 退会済み
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