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彼の中のルール



若干グレードアップしていたけど、中学生当時の物も沢山残っていてとても懐かしかった。

キョロキョロと部屋を見回していると、机の上にキレイに並んでいるある雑誌が目について理玖の前で指をさした。




「ねぇ、その本は?」




机の上にあったのは三冊ほど積み重なったエロ本。

しかも、愛読書だったのか端が少しボロボロに。




理玖は指摘されて本に気付くと、サーッと血の気を引かせて机にダイブ。

エロ本を鷲掴みにして、愛里紗に見えぬようにサッと背中に隠した。



愛里紗は目の色を変えて必死にエロ本を隠している理玖の姿がおかしく思い、プッと吹き出す。




「おおおいっ……。母さん! マジ勘弁……」




年頃の男の子にはよくある光景だと聞いた事があったけど、そんなに焦るなんて見ちゃマズかったかな?



それからローテーブルに向かい合わせに座ると、塾の教材を広げてわからなかった箇所を互いに教え合った。




ーーまだ窓の外は明るいけど、手元の時計を確認したら、もう17時に。

夏期講習は明日もあるし、そろそろ家に帰らなきゃね。




愛里紗はキリのいいところで勉強道具を片付けて理玖と一緒に玄関を出た。

昼間より暑さは和らいだけど、クーラーが効いていた部屋から出た途端、ムワッとした猛烈な湿気に襲われた。




帰り道、理玖は通っている高校の話など、楽しい話題を入り交ぜて話を始めた。

そんなひと時が楽しかったりもして。




自宅まで徒歩10分。

お互いの家同士は案外近い。


だけど、地区の関係で小学校は別々。

中学校に上がって初めて理玖と知り会った。


彼は昔と変わらず、別れた今も家まで送ってくれる。

それが彼の中でこだわっているルールだとか。


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