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7 俺と紫音



俺と紫音は少し気持ちを落ち着けたくて、小さい頃良く3人で遊んでいた丘に来ていた。


俺と桜の親は帰りが遅かったので、良く二人でここで遊んでいた。


そこに紫音も加わり、俺は寂しさを忘れられた。



「何でこんなことになっちまったんだろうな。」


「そうだね、三人でここで遊んでた頃は楽しかったのに。」


「ああ、三人でいたら寂しさも気にならなかった。」


「…源二は良かったのか?」


「良かったって何が?」


「桜とこんな別れ方して…………。」


「まぁ、しょうがねぇよ。」


「でも、桜の事ずっと好きだっただろ?」


「…………まぁ、な。」


「アタシが居なけりゃもっと穏便に話し合えたかな?」


「何言ってんだ、紫音。俺はお前に感謝してる。本当に。」


「…………本当にこれで良かったのかな?わかんねぇよ。」


紫音?泣いてるのか?


「紫音?」


「桜がさ、最後悔し紛れだと思うけど、アタシに言ったじゃん?良かったねって。」


「バカ!あんなの気にすんじゃねぇ!俺は」


「違うんだよ!…何も言い返さなかったのは…………図星だったから。」


「え?」


「源二を放っておけなかったのは本当だ!あの時の源二は見てられなかった!」


「あ、あぁ。」


「でもさ!…………これでアタシを見てくれるって思ったのもホントなんだ。」


「…………。」


「源二があんなに悲しがってたのに、私は半分嬉しかった。これでやっとって…思っちまったんだ。」


「…………。」


「だから、あの時言った通り、アタシと付き合わなくたっていい。ウチの両親はそんなの気にしない。」


「…………。」


「今日あの二人に言った事だって本心だけど、桜に対しては今までの悔しさをぶつけちまったのもあると思う。」


「…………。」


「な?アタシ結構ひでぇ女だろ?だからさ、源二は気にせず」


「紫音!!!」


俺は力強く紫音を抱きしめた。


「源二?」


「もういい、そんな自分を下げるようなこと言うな!」


「けどアタシは」


「お前が居なかったら俺は壊れちまってた!俺を助けてくれたのはお前だ!自分の身体を使ってでも俺を支えてくれたのはお前だ!」


「源二…………。」


「そこにどんな理由があったってその事実は変わらねぇ!それにさっきの話を聞いても俺は別にお前の事見損なったりしねぇよ!!」


「…………。」


「だから、俺と付き合ってくれ!お前が居ないと俺はダメかもしれねぇ。」


「源二…………、アタシでいいのか?」


「ああ。紫音が好きだ。」


「ふっ…ぐっ…源二!源二ぃ!!」


「泣くなよ、紫音。俺は女の扱いに慣れてねぇんだ。」


「あ、アタシだって、よくわかんねぇんだよ!」


「そっか。まぁ、とにかくこれからもよろしくな?」


「………うん。」






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