5 相談
次の日、俺と紫音は学校には行かなかった。
紫音の両親は昨日の夜から今日の夜まで出張で家を空けていた。
俺は紫音の気持ちに甘えて何度も抱いた。
何も考えたくなかった。
紫音には初めてだったにも関わらず、無理をさせてしまった。
これからどうするか…………。
あの家には帰りたくない。
あの二人には会いたくない。
学校辞めて働くか。アパートでも借りて
「なぁ、源二。これからどうする?」
「あぁ、今考えてた。」
「あの家には帰りたくないだろ?」
「あぁ。」
「出てくにしても、カネはどうする?おじさんに出させるか?」
「いや、アイツの世話になるのは嫌だ。自分で何とかする。」
「そうは言っても、学校行きながらだと生活できないだろ?」
「学校は辞める。そんで働く。」
「待ちなって!高校は出とこうよ!アタシの親に相談してみる?」
「いや、迷惑はかけたくない。」
「何か方法があるかもしれないし。ね?聞くだけ聞いてみようよ。」
「いいのか?」
「うん。」
その日の夜、紫音の両親に事情を話した。
「…………。そんなことが…………。桜ちゃんに手を出すなんて…………。」
紫音の両親は絶句していた。
「源二が家を出るにしても、住む場所とお金は問題だな。ウチがやってるアパートで良ければ都合しようか?」
「いいんですか?」
「あぁ、流石にこの状況は放っておけない。高校卒業するまでは、生活費も貸そう。代わりと言っては何だが、紫音。」
「な、何?」
「お前は源二の真似をして不良をやってるんだろう?もうやめなさい。それが条件だ。」
「わ、わかったよ!真面目にするから。頼むよ!」
「よし。後は源二のお父さんとも話をしなければいけないだろう。どうする?」
「まずは俺だけで話をしようと思います。」
「源二!アタシも同席する!」
「いや、けど」
「ダメならアタシは不良のままだ。」
「…………わかった。」
「じゃあ、明日にでも話しに行こうよ。」
「…………わかったよ、ありがとな、紫音。」