3 衝撃
それから数日後、放課後になるといつもの仲間の一人が走ってきた。
「源二!今日うちの学校の奴らが隣町のチームにヤられたって!仲間も何人かヤられてる!」
「は?マジか!ヤツらどの辺で暴れてんだ?」
「国道沿いで何人かヤられたらしい!どうする?!」
「今集められるだけ集めて国道流すぞ!」
「よっしゃ、全員に連絡入れる!」
「頼んだ!」
チッ!!まだ夕方だってのにこんな時間から暴れやがって!
…紫音は?今日は見てねぇな。まさかもう動いてるのか?
確かに紫音は強いが、それは女の中ではって話だ。無茶すんじゃねぇぞ!
俺達が人数を集めているうちにだんだん暗くなっていった。
あらかた集まったな。
「源二!今海岸沿いの公園で奴らを見つけたって連絡が来たぞ!」
「よし!行くぞ!」
バイクで急いで公園へ向かう。この時間なら人は居ないだろう。
「いたぞ!女数人が囲まれてる!」
紫音!!!
「突っ込むぞ!!!!気合い入れてけよ!!!てめぇら!!!!!!」
「「っしゃあ!!!!!!!!!!」」
女たちと隣町のチームを分断するようにバイクで突っ込む。
「源二!!!」
「紫音!!無茶し過ぎだ!!!てめぇは!!!」
「うるせぇ!!!お前の力なんて借りねぇ!!!」
「状況見て言えってんだ!!行くぞ!!!お前ら!!」
「まかせろ!!!おい!!人の町来といてチョーシ乗ってんじゃねぇぞ!!コラァ!!!!」
「お前らなんかに助けられたくないっての!!」
紫音のチームの女が嚙みついてくる。
「うるせえ!!お前らは黙って守られとけ!!!」
俺のダチもその子に言い返す。ダチに絡んだって子か?
「馬鹿野郎!!集中しろ!!」
「わかってんよ!こんな奴ら楽勝だっての!!」
相手は20人くらいか。俺たちは10人弱、紫音たちは5人。
「お前ら!!1人で2人ヤれば勝ちだ!!楽勝だろ?!!」
「とーぜん!!!負けるワケねぇって!!」
向こうも対抗して動きを見せる。
「こっちが数は上なんだ!!囲んじまえ!!」
甘ぇよ!させるか!!
一人!二人!三人!!よし、いける!!
周りを見ると殆ど片付いていた。
遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。
誰かが通報したか。
「よし!!ここまでだ!バックレんぞ!!」
「源二!女たちはどうする?!」
見ると紫音のチームの女のバイクは全て壊されていた。マジかよ…。
「紫音!後ろに乗れ!!」
「あぁ?お前からの情けはいらねぇ!!」
「馬鹿野郎!!そんなこと言ってる場合か!!いいから乗れ!!」
「くっ………。」
「お前らも女たちを乗っけてやれ!!役得だろ?!!」
「まぁな!ほら、早く後ろに乗れ!!」
渋々ながらも全員乗ったようだ。
「うっし!!全員バラけながら解散!!捕まんなよ!」
「「おう!!」」
こうして俺たちは解散した。
落ち着いたところでバイクを自販機の前で停めた。
コーヒーを買い紫音に渡す。
「ほら、飲めよ。」
「………。」
「何意地張ってんだ。ほら。」
「…………さんきゅ。」
「ったく、無茶すんな。アイツらの人数は知ってただろ?」
「…源二には負けたくなかった。」
「何でそんなに俺に対してムキになるんだよ?」
「………教えたくない。」
「なら別にいいけどよ。…………お前、腕にケガしてんぞ?」
「かすり傷だよ。気にすんな。」
「そういうワケにもいかねぇよ。そのまま家に帰ったら親に心配されんだろ?俺んちで軽く手当てして行けよ。」
「………。」
「無理やりにでも連れてくからな?」
「………わかったよ。」
エンジンをかけて俺の家に向かう。
桜には今日は飯はいらないと言ってある。
隣町の奴らといつ喧嘩になるかわからなかったからな。
紫音の手当てをしたら家まで送って、飯でも食いにいくか。
家に着くと、親父の靴があった。なぜか桜の靴も。
親父に飯を作りに来たのか?
紫音を連れてリビングに向かう。
救急箱は………。
「あっ、あっ、あんっ!おじさんっ!!」
「桜ちゃん、桜ちゃん!」