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りんご

作者: 七竈

これから、しりとりで題名を決めて書こうと思っています。今作は「りんご」なので次は「ご」から始まる題名(テーマ)で書きます。

ふと目を前から逸らすと真っ赤で丸い何かが沢山集まっているのを見つけた。

「あれって何?」

「あれは林檎って言うのよ」

「りんご?」

「そう、リンゴ。せっかくだし買っておうちで食べよっか」

「食べれるの?」

僕がそう聞くと

「えぇ。美味しいよ」

と、ニコッと答えていた。


そんないつかの記憶が目の前の果実をきっかけに蘇った。

「食べないのか?」

父がスマホをチラ見しながら伺う。

「ううん、食べるよ」

そう答えると近くにあるフォークを握ってスッと側面をぶっ刺した。

「どう?SSR出た?」

「いや…よくてSR2枚」

「どんまい」

「うむ」

いつも通りの会話である。

「母さんってりんご好きなの?」

そこに唐突に質問をしてみた。

「…あぁ」

父は困惑しつつもイエスと頷いた。

「やっぱり」

予想が的中して笑った。

「どうした急に?」

「昔に母さんがりんごが美味しいって嬉しそうに言ってたから」

「…そうか」

すると父も微笑んだ。

「りんごを見るとあいつを思い出して辛かったんだが…お前があいつと同じくらい嬉しそうにしてるから暖かくなったよ」

そう言って僕の皿に入ってたりんごを鷲掴みして口に放り込んだ。

「それ僕のだよ!まだりんごあるんだから父さんのは新しく切ればいいじゃん!」

「すまん、めんどくさい」

「何それ?もういいや、父さんにSSRが来ませんように〜」

「それはやめてくれ!分かった、自分の分も切ってくる」

「僕の食べた分も」

「えぇ…」

「…」

「切ります…」

面倒そうに台所へとぼとぼ歩く父を見てくすくす笑う。

(さてと…母さんの分も大切に食べよ)

なんとなく心に浮かべてまたフォークでスッと刺した。

(いただきます〜)

大きめに切ってあるりんごを口いっぱいに頬張った。

初投稿で試しに書いて投稿してみました。

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