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新プロレタリア文学短編集  作者: 城戸幽奇
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恒良の恋4

ある日高校の頃からの悪友と久々に飲んだ時のことでした。

この友人というのがいわゆる出会い系で遊ぶ奴でそれ以外はいいやつなので仲良くしていたのですが、世帯を持つか持たないかの瀬戸際だった僕は少し敬遠していました。

そいつが最近会ったという女との動画を見せてきたのですが、僕は血の気が引きました。

どう見ても陽子です、あれの時の癖からホクロの位置まで。

そこからどうやって帰ったのか記憶がありません、悪友を殴り付けたらしいとことと、事情を知った悪友が謝ってきたこと、そして件の動画を協力するという言葉と共に僕に渡していたようでした。


それから頭がはっきりしてきた僕は陽子の家に行き、彼女に動画について問い詰めました。

最初は他人の空似とまともに取り合わなかった彼女でしたが、動画に写った左手に光る指輪から言い逃れはさせませんでした。

だって、あの指輪は僕から送ったオーダーメイドのものだったのですから。

それを指摘してから彼女は全く意味のわからない支離滅裂な事を話す人形になってしまいました。

言っていたことは自分は悪くない、僕が悪い、でも一番父親が悪い、何を言っているのか彼女の主張が本当にわからなかったのです。

大事にしていたキラキラ光る宝物の中身が実は生ゴミだった、大事に育てた果物の木から糞尿しか実らなくなってしまった、その様な感覚でした。

僕はもうこれ以上彼女が駄目になっていくのを見るのが耐えれませんでした、また半ば彼女からの要求もありました。

ですから、僕は、彼女を楽にしてあげました。


女という生き物は当たり前のことだと思うようなことまでいちいち言葉に出すのでしょう、それは彼女たちは自分に言い聞かせないと自分の感情も維持できないくらい未熟で動物のような精神をしているからです。

動物だろうと、まともに育てばまだいい、身の程を知り、相手を慮り、上手に立ち回って生きていき、やがて人を育てる立場になっていく。

では、まともに育たなかった女に価値なんてあるんでしょうか、人の言葉をしゃべりさも意志の疎通ができるように見せかけ、何もわかろうとしない,自分の都合の良い言葉を自分の都合の良いように曲げて受け取ることしかできない彼女たちに人権なんて必要なんでしょうか、

どんなに相手を想ったって、手助けしたって受けて当然の顔し、考えるのはいつも自分の保身ばかり、本当に同じ人間なんでしょうか、

見た目ばかり着飾り、男に取り入って都合が悪くなると相手を破滅させる、他人の心を慮るなんてそこにはありはしない、酷いときには自分ごと周囲も巻き込んで破滅する、

こんな醜悪な生き物この世界に必要なんてない、誰も望んでない存在、みんな縊り殺してしまったほうが世の中のためになるんじゃないだろうか、まるで自爆テロのように迷惑、僕はそう考えます。


僕の名前はつねに良い方向へ行くようにと父がつけてくれました、僕はその様に生きてきた自負がありましたが、どうやら僕が良いと思うことというのものはこの世界にとってはどうでも良いものだったようです。

死後がどうなるのか僕にはわかりません、ただ僕は母さんに会いたいです。

きっと僕のこと烈火のように叱りつけ、殴り飛ばし、そして一緒に泣いてくれる。

もういなくなってしまった、世界でたった一人僕のことをわかってくれる、

母さん、母さん、会いたいよう。

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