1話? 〜姉のコンプレックス〜
今回はしっかり自分の書きたい部分を隠喩?出来た!
「お姉ちゃ〜ん・・・お金がよろしくない状況だよ。」
「黒乃?お母さんが持たせてくれたお金沢山あったよね?」
「そんな気がする。」
「何にそんなに使ったの!?2人で手分けしてお仕事探そって言ったよね!?」
「いや、だって。」
「だってもヘチマもない!」
「ごめんって!ちゃんと探してたからこうなったんよ!」
若干癖のある話し方をしているのは物語の主人公、人間と天使のハーフという前例の無い少女、白月 黒乃。
先程から本気ではないが少々怒気を出しているのは血が繋がってない姉、吸血鬼と淫魔のハーフとこれまた希少な血を持つ少女、白月 雪乃。
「ちゃんと探してて、どうしてお金がよろしくない事になるの・・・、この宿は割安でも予定だと後1週間持たないんだよ・・・?それで?収穫は?」
「お姉ちゃんて怒っててもかわいいよね。」
「・・・・・・黒乃、ちょっとお財布出して?」
「ん。」
中身を確認するのかな?
よいしょと。ベットから上半身を起こし、上半身と下半身で別れている変な着物の左の振袖部分から財布を取り出す、右側はノースリーブというこれまた変な造りだが、本人はかわいいし機能的!の一点張りの一張羅だ。
「どうぞ、お手柔らかに。」
「はい、どうもー。」
と、雪乃はおもむろに自分の振袖のポッケへ財布を放り込む。
「へっ?」
「んっ?」
「あれ?私の財布は?」
「お姉ちゃん怖くないもんねぇ〜?」
「あぁ!お姉様!お許しください!お姉様は普段非常に柔和な方ですが、怒るとキリッと表情が引き締まるメリハリのあるお方です!どうか・・・どうかお情けを・・・!」
「で?収穫は?」
雪乃のニッコリとした笑顔に、ニヘッと笑い返す黒乃。
「お金がよろしくなくなった原因と致しまして、中規模の喫茶店へのゴマすりとして商品を沢山注文したという経緯が御座います。その甲斐もあり、その喫茶店の採用面接を取り付けてきました!」
はあ、とため息を漏らしつつ振袖から財布を返す雪乃。言いたいことは色々ありそうだったが、とりあえず行ってみよ?
と喫茶店へ向かい、面接が始まる━━━━。
宿屋を出てレンガで舗装されている道を歩いてゆく、見渡す街並みは三階建てが1番高いだろうか、中世と表現すればすぐに分かるだろう。
2人が泊まっていたのは、【ハルク】という国の宿屋。2人が母から聞いたのは【ハルク】は駆け出しさん達が多い国らしい。
20分ほど歩いた所で雪乃が気付く、「あの喫茶店?」
決して小さくはない二階建てのお店の佇まい。
「お姉ちゃん行くよー。」
「面接の時間決まってないの?」
「店長何時でも良いってー。」
カランカラン。両開きの扉の左側を慎ましく開ける雪乃。
「いらっしゃいませー!ご主人様ぁ!!!」
ということも無く綺麗な黒髪ロングのウェイターが歩み寄って来る。
「いらっしゃいませ、お客様。こちらへどうぞ。」
雪乃と目を合わせ逸らさずにハスキーな声で案内をこなすウェイター。雪乃はイケメンに緊張してか、ひゃい。と上澄った声で案内を受ける、黒乃の頬は何故か膨れている。
席へ案内される途中。
「ああ!クロちゃん!その2人連れて来て!」
「店長?ああなるほど、新しい子ってこの子達ですか。」
方向転換し、バックヤードの奥へ。
店長は眼鏡に出っ歯と少々残念な顔立ち。
「それじゃあ、面接を始めます。・・・採用!!!」
「いえーい。」
「え!?ホントに良いんですか?」
「まずは、黒い翼の君!まずは髪、深い黒で前髪は長めのショート系統、そして切れ長で少しつり上がった目元に、そこから覗く青紫色で吸い込まれるような大きな瞳に、左目下の泣きボクロ。体でやはり目を引くのは腰周りの白い肌色の露出!まだ身体が発育しきっていないのも将来有望でよろしい!!」
「次は、八重歯の君!まずは髪、さっきの子と同じ深い黒でもう少しで髪が結えそうなセミロング、そして少女漫画だと地味顔と呼ばれるであろう優しい可愛さの顔立ち、髪とは対照的に薄い空の色を含んだ白の瞳。体は着物で分かりづらいが僕は誤魔化せない、腰のクビレは背中側から眺めるとそれはもう芸術だろう!君もまだ身体が出来上がってないね!楽しみだよ!」
店長によるエセグルメ家の様な2人の解説。店長ありがとうございます。
黒乃は笑顔で楽しそうに話す。
「店長〜、わたし達の事いやらしい目で見てるー。これはイケナイなーお巡りさ〜ん、ここに変態さんがいますよー!」
店長はすぐに気付き胸が熱くなり、少々俯いた後、これまた楽しそうに話す。
「そう!僕こそ変態さ!男女関係なく僕には無い美しい容姿に憧れ、その容姿を僕の店に集めているのさ!」
「変態店長さ〜ん!カッコイイよー!」
「カッコイイだろう?僕の容姿は格好良くない!だが、この心はこのお店の誰よりも格好良いのさ!!」
雪乃は、あぁ、またかと少し顔を曇らせ、どうしてなんだろうな・・・と眉を悲しませ微笑む。
「では、明日から来てくれるかな?」
「了解でーす。」
「はい、分かりました。」
裏口は無いようでまた玄関へ案内され、別れ際に。
「あ!!2人共成人してるよね!?」
「もう少しで15歳になります!」
「成人済みと・・・。思うんだけど成人は男は19女は17でいいと思うんだよ。」
「・・・・・・・・・変態。」
しっとりとした返事に、肩を上げて首を曲げてとぼける店長。
宿屋に着くと黒乃が尋ねる。
「お姉ちゃん今日途中から元気無かったよね?」
「うんん、そんな事ないよ。」
「ふーん。」
明日の初仕事に向け、かなり早いが日が沈むと同じ頃に眠りに着いた。
お疲れ様です、今回は若干の長さがあったと思います笑
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