ひとときの安らぎ
授業が始まるのでたまに遅れる場合があります
基本文字数は少ないですが、時々多くなります
では、どうぞ!
「なぁ、レイよ」
執務室で大量の書類を捌いている彼は隣で同じ量を裁いている文官に声をかけた。……が、レイと呼ばれた彼は一向に声の主の方へ見ることもなく書類を捌き続けながら
「休憩なら先程致しましたが」
「そうじゃない!いったい俺は何日この作業を続ければいいんだ?」
無表情で書類を捌くレイは淡々と
「この作業を始めてからまだ7日しか経っておりませんが」
「もう7日だ!そろそろもういいだろう!これ以上閉じ込められていたら腕がなまる」
「そう仰るのでしたらこちらをお付けになってやられてはいかがですか?」
彼は懐からただの布を取り出し声の主の机の上に置き再び書類に向き直った
「なぁ、どっからどう見てもこれただの布だよな?って重っ!!」
声の主は持ち上げることすら出来ず呆れたようにレイを見ながら
「何処にそんな怪力が備わってんだよ!?」
「…………」
それすら無視をし紙を減らしていく彼に
「お前さぁ、俺はお前の主なんだけど!」
やっと手を止めた彼は今更、何を言っているのか っと言う目を主に向け
「それぐらい存じておりますが?」
首をかしげたが直ぐ様自分の仕事に戻りながら
「言動は子供以下ですけどね」
とだけ呟きさっさ捌いた
「それにしては俺の扱い酷くねぇか?」
「何処がですか?公の前では主が馬鹿をしでかさないように見張り、あなた様が望んだことは出来る限り叶えてきたつもりですが?」
それでも足りないのか?と問いかけてくるレイに彼は負け惜しみに
「その言葉がすでに酷いんだけど!?あの時は可愛いげあったのになぁ~」
と小声で本人は言ったつもりでも彼には聞こえていた
「あの頃は何も分からなく大変でした」
レイは主にも聞こえないように小さく呟いた。彼は過去を思い馳せるように遠くを見つめた