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ラブゲーム!  作者: 和藤 結希花
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直生とサッカー。

 今日も今日とて部活である。


「直生ー、パス」

「おう」


 遼からボールを受け取り、すぐさま襲ってくる相手チームの攻撃を躱す。


 サッカーは好きだ。

 始めたきっかけは確か小学校の友人に誘われたというだけ。それほど入れ込まないだろうと思っていたが、なんだかんだ言って結構続いているし、自分でもそれなりに強くなったと自負している。



 ピピー、と今日の練習終了の合図が鳴り、後輩達が片付け始めたのを見て、ベンチにある残り僅かとなったスポーツドリンクを一気に煽った。


「直生、お疲れ」

「おー、お疲れ」


 斗亜もスポーツドリンクをぐびぐび飲んでプハーッ!と息を吐いた。基本爽やか系男子のこいつだが、こういう時は親父くさくなる。しかしそのギャップがいいと見に来る女子がいるのがよくわからん。


「遼は?」


 まだこちらへ来ていない彼のことを聞くと、苦い顔をされた。


「あそこ」


 斗亜が指差す方を見ると、未だに他の3年とボールを蹴っている遼がいた。……1年が片付け出来ないから、さっさと戻って来いといつも言ってるんだがな。


「お前ら、もう終わりだぞー」


 声をかけるも熱中しているらしく、聞こえていない。どうしようかと悩んでいると斗亜にポンと肩を叩かれた。


「僕に任せて、直生」


 物凄く爽やかな笑顔で親指立てられた。

 え、何する気だ?


「あそこに可愛い女の子がいるよー!」


 バッ、と今までサッカーに熱中していた奴らがこちらを向いた。単純過ぎて心配になる。


「どこだ⁉︎どこだ斗亜⁉︎」

「どこに美少女が⁉︎」


 奴らはこちらが引くほど美少女を探し始めた。あ、1年も2年も道具片付けながら残念なモノを見るような目で彼らを見ている。


「嘘だよ。さっさと片付けようね」


 斗亜がパンパンと手を叩くと『嘘つきー』『オカンかよー』と言いながら渋々片付け始めた。オカン発言には俺も賛成である。


「あー、高総体まであと少しだなー」


 遼がため息交じりに呟いた。

 勝っても負けてもこれが最後。

 みんな思っていることだろうが、どうせなら勝ちたいし、決勝まで行ってみたい。その思いでひたすら練習に励んできた。

 しかし、終わったらこのグラウンドから出て行かなければならない。俺の様に高校で本当にサッカーをやめる奴も多いだろう。

 それが少し寂しく感じる。


「なーに、そんなしみったれた顔してんだよ、直生」


 遼がこんな思考に持って来させた癖に、肩に手を回してきた。


「一生のお別れじゃないんだし、またここに来ればいいじゃん」


 奴は俺の髪をぐしゃぐしゃと撫で回しながら、ニッと笑う。


「……遼の癖に生意気」

「なんだとー⁉︎」


 ぶっきらぼうな俺の言葉に、遼がさらに髪をぐしゃぐしゃにしてきて、それを斗亜がどうどうと宥める。


 そんないつもの日常が続く時間は有限で、そして俺はその日常が結構好きだっただなんて、今更ながらに気づいたのだった。


めちゃくちゃ間が空いてしまいましたね……。すみません……。もっと更新頻度上げるのが今の目標です。

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