毎日それぞれに充実してますよ。
「ああ〜アイちゃんマジ私の癒し』
私はゲーム機の画面の中のキャラクターを見つめながら呟いた。
「あらあら……そんなんじゃあの子寂しがるわよ?……いや、あの子も同じか……」
黒いシンプルなエプロンをした女性はため息混じりに言った。
彼女は花奈おばさん。
私とは血は繋がってなく、上原家に嫁いできた人だ。
私は出されたクッキーを齧りつつゲーム機をいじる。
ん、美味しい。
「趣味が一緒って得だよね」
「今は何をやっているの?」
「んーーとね。キャラクターにダンスを踊らせるゲームなんだけどね、めっちゃかわいいんだよ、アイちゃん!」
「あー……あの子も莉音ちゃんという人がいながら、なんかリアがどうしたこうしたって言ってたわね……」
「ああ、あいつリア押しだもんね」
私はさらっと返した。
「妬かないの⁉︎」
「次元が違う子に嫉妬してどうすんの……」
花奈おばさんは私がいたってクールに返すので戸惑っているご様子。
いやいや、2次元と3次元は違うよ。
毎日それぞれ充実してますし、楽しんでます。
「はぁ…もう、これでいいのかしら……」
「心配しないで、花奈おばさん。だって……」
「俺たち愛しあってるしー」
突然もう一つの声が聞こえた。
振り返ると、学ランを着た、憎たらしいほど顔がよく整った男子が立っていた。
みんなが噂していた私の彼氏の上原直生である。
ついでに言うと私と同い年の従兄で、私に『スーパードライガール』と名付けた『スーパークールボーイ』である。
「…………」
「お前なんつー顔してんだよ。怖がらせて悪かったな。てか、ただいま」
「お、おかえり。って、怖がってないし!」
「はいはい、はやく始めよーぜ」
「うん」
私は自室へ行く直生のあとを追いかけた。
この小説に出てくるゲームやゲームに出てくるキャラクターは私がこんな感じなのかなー、こんなのがいたりするのかなー、というようなめっちゃ適当な感じで考えたものなので実在しません。……実在してたらすみません。