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ラブゲーム!  作者: 和藤 結希花
19/54

クリスマス、学校で。

 ビルの大きなテレビからクリスマスソングが流れている。

 街はいつにも増して賑やかで、人々は楽しそうに買い物やデートを楽しんでいる。今日はクリスマス。おとといからやっと冬休みに入った。

 そんな日に私はどこへ向かっているかというと。


「あー、冬季講習めんどくさい……寒い」


 学校である。



「メリクリー!莉音!」

「莉音、おはよー。相変わらず寒さで震えてるねぇ」


 教室へ入った途端に伊織とのんが走り寄ってきて、はい、と小包を渡してきた。


「ありがとう。私もこれ」


 それは約束の物々交換。伊織とのんがくれたのはクッキー。私があげたのはカップケーキだ。

 伊織がさっそくカップケーキの包みを開けて食べ出したので私もクッキーの包みを開けて食べてみた。まずはのん。思っていた通りで、すごく美味しかった。 問題は伊織のだ。深呼吸してから包みを開けた。


「あ、美味しそう」


 普通に美味しそうなクッキーで、私はパクリと食べた。

 ……うん、ちょっと刺激的な味でした。


「どう?どうだった莉音!」


 うっ、そんなキラキラした目で見ないで……。そんな目で見られたら……。


「うん、どっちも美味しかった」


 こう言うしかないじゃん。

 伊織はよかったーと喜んでのんは何か察したのかすまなそうに笑っていた。


「莉音のカップケーキもすごく美味しいよ!」

「本当?よかった」


 イブの日の夜に頑張って作った甲斐があった。作る約束を忘れてて、慌てて真夜中に眠気と戦いながら一人でひっそりと作ったのだ。家族用のクリスマスケーキはまだだが、帰ってから作っても問題はないだろう。


「あ、今夜大雪だって。サンタさん大変だね」


 のんがスマホを見ながら呟く。途端に伊織がバカにしたような顔をした。


「のんってばまだサンタさん信じてるのー?」

「信じてないよ、去年真実を知ったおバカさん?」

「ムキー!」


 のんの毒舌にやられて伊織の顔が赤くなった。なんだか暖かそうなので両手で伊織の頰を包んでみた。思っていた通り、暖かい。


「り、莉音?どしたの⁉︎」

「んー、なんかあったかいかなって」

「どれどれ、じゃあ私も……」


 のんも伊織の頰に手を当てて、暖をとり出す。うーん、やっぱ人間カイロっていいと思う。ぬくい。


「ちょっとお二人ともー。私だけほっぺ冷たくなってきたんですけど!」

「えー、もう少しで暖まるから待ってー」

「いや、私は寒いんだよ!」


 仕返しとばかりに伊織は両手で私達の頰を触ってきた。


「……イオちゃんの手、暖かいからより暖まるね」

「それな」

「何ー⁉︎」


 体温が高いっていいな。低体温の私には羨ましい限りだ。


 ぬくぬくしているうちにチャイムが鳴り、授業の時間になったので、私達は慌てて席に着く。

 すぐにガラッと音を立てて先生が入ってきて、……クラス中が、硬直した。


「メリークリスマス!」


 そこには先生じゃなくて赤い服に白い髭のサンタさんがいたから。

 伊織を見てみると、「サンタさん、初めて見た」という顔をしていた。のんは苦笑いをしている。

 のんの反応が正解。だってさ……。


「みんなに抜き打ちテストのプレゼントじゃー‼︎」

「「「「「ギャーーーー‼︎⁉︎」」」」」


 サンタさんはやっぱり大人でしたので。

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