引きニートはスライムと出会う
投稿遅れてすいませんでした。
「ゼロさんのスキルはどんなんでしたか?」
「ん?まぁ、錬金術みたいなスキルだったよ」
スキルのことについては黙っておくことにした。
「え!てっきり戦闘系のスキルだと思いました。でも…」
「でも?」
「良かったです」
「何が?」
「私も戦闘系のスキルじゃないんですよ」
すごく、すごく嫌な予感がする。気のせいだといいんだが。
「一応聞いておくが、どんなスキルだ」
「私のは料理です」
ポンコツじゃねぇか!よく冒険者になろうと思ったな。コックでもやってろよ。
「ちょっと待て、俺ら二人とも非戦闘系のスキルじゃねぇか。どうやって戦うんだよ」
「どうしましょうか?」
リリィは首を傾げるながら言う。超可愛いな。畜生。
「後でパーティの募集でもしてみるか」
「その手がありましたか」
リリィは手をポンッと叩いた。どうやらリリィはなかなかおバカさんのようだ。
♢♦︎♢
「なぁリリィ」
「なんでしょう」
「薬草ってどういうところに生えてるんだ?」
「分かりません」
俺の質問に即答で答えてくる。俺がこいつに聞いたのが間違いだった。
「なら、適当にそこら辺を探すか」
「そうですね」
俺たちは森の中をひたすら探し続けた。そのとき魔物と出会わなかったが俺たちからしたらラッキーなので気にしなかった。
探し始めて20分ぐらい経ったときにようやく見つけた。
「これが薬草か」
早速鑑定スキルを使ってみる。
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【薬草】レア度 : ★
ポーションの素材として使われている。
そのまま食べると雑草の味がする。あまり食べるのはおすすめしない。
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「よし、薬草も取れたことだし帰るか」
「そうですね。今日は疲れました」
帰ろうとすると茂みが揺れた。
「な、なんだ!?」
すぐに剣を鞘から抜き、戦闘態勢に入る。
緊張が走る中茂みから青色のスライムが出てきた。
「なんだ、びびって損した」
雑魚モンスターのスライムだと安堵し戦闘態勢を解除すると隣にリリィがいないことに気がついた。
周りを見渡してみると木の後ろで足をガクガクさせながら隠れているリリィを見つけた。
「何やってんだ?リリィ」
「早く逃げてください」
「何言ってんだリリィ。だだの雑魚じゃないか」
「何言ってるんですか!その青色のスライムはたった7体しかいない魔王の一体ですよ」
どうでもいいが魔王の数え方は一体、二体なんだ。本当にどうでもいい。
「はぁ!?スライムだぞ、あの序盤でしか出てこない奴だぞ。そんな奴が強いわけがないだろ」
「スライムは確かに弱いですけど青色のスライムだけは違います」
一応鑑定スキルを使ってみることにした。どうせ雑魚だろと思いながら。
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ス・ライム【魔王】
【吸収】
吸収した物や人のスキルを奪うことができる。
【再生】
傷を負ったりしてもすぐに回復する。
【変身】
見たことのある物になら姿を変えられる。
【剣術】【炎魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【雷魔法【闇魔法】【光魔法】【無属性魔法】【回復魔法】
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もし来世があるのなら次はイケメンに生まれたい。それと可愛い妹に毎朝起こしに来てくれる幼馴染も欲しい。
「ゼロさん早く逃げてください!」
現実逃避をしていた俺はリリィの声で我に帰ってすぐに逃げようとしたが動けなかった。なぜなら俺の首がス・ライムによって切断されたからだ。