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引きニートはパーティー名を決める

 


「ふあああ………寝よ」


 俺は大きく口を開いてあくびをした。昨日寝ていないのですごく眠たい。

 俺はベッドに飛び込んで目を閉じようとしたとき……。


「寝ないでください。早く行きますよ」


 リリィが何か言っているが俺の耳には何も入ってこない。

 リリィは俺が起きないことに怒ったのか俺の顔に水をかけてきた。


「な、何だ!?洪水か?」


 俺はいきなり水が顔にかかり溺れると思い飛び起きた。


「さあ、行きますよ」

「行くってどこに行くんだよ」

「もちろんギルドにですよ」

「今日はアレだから、一人で行ってきて……お休み」

「アレって寝るだけじゃないですか」


 なに!?バレている……だと!?リリィはエスパーですか?サイコキネシスとか使うんですか?と、どうでもいいことを考えていると……。


「ダメ……ですか?」


 俺を見上げながらつまり上目遣いでお願いしてくる。俺には効果は抜群だ。


「行けばいいんだろ」


 半ば強引的にギルドに向かうことになった。





「………はぁ」

「どうしたんですか?」


 なぜため息をついているかだって、それは……。


「可笑しいだろ!無理矢理ここにこさされ、しかも受付がおっさんなんて最悪以外の何だっていうんだ!」

「誰がおっさんだ!」

「そうですよ。ギルドマスターをおっさん呼ばわりはよくないですよ」

「そんなことはどうでもいい。それよりパーティー登録をしたい」


 俺はむさ苦しいおっさんとこれ以上話したくないので、本題を言うことにした。


「分かった。じゃあギルドカードを出してくれ」


 俺とリリィはおっさんにギルドカードを渡す。

 渡すときに俺はリリィのランクを見てしまった。なんとリリィのランクは……Fランク。足手まといの予感がする。


「それでパーティー名は何にするんだ?」

「じゃあ、自宅警備員で」

「じゃ、登録するぞ」

「ちょっと待ってください!」


 リリィが受付の机を叩きながら声を上げる。それと同時に視線もこっちに集まる。視線に慣れていない俺はどうしてもキョドってしまう。


「ゼロさん、勝手に決めないでください。それと自宅警備員ってなんですか?説明して下さい」

「自宅警備員ってのは自宅を守るという意味なんだ。俺たちにとっての自宅というのはギルドのことだ。そこを守るという意味を込めてこの名前にした」


 もちろんこれは真っ赤な嘘。ただ良い名前が無かったから、これまでのことを思い出してみたら、家に引きこもっていたことぐらいしか思い出せなかった。だから自宅警備員にした。


「そんな意味があったとは、すいませんでした」


 リリィが俺に頭を下げてくる。その光景を見た周りの人達は何のことか分かっていないようだがとりあえず俺に怒りの視線を送ってきているような気がした。


「おっさん、登録が終わったら言ってくれ。俺達は掲示板を見てくる」


 いち早くここから逃げたかったため急いで別の場所に移動する。

 依頼が貼ってある掲示板の方に行こうとしたとき、男の人から『イチャイチャしてんじゃねーぞ!ぶっ殺すぞ!』と耳元で言われた。怖い。






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