引きニートは家から出る
「とうとうこの日がやって来てしまったか」
引きニートこと御子柴零は山奥にある家を出て、今日から町で生活することにした。
「5年間ありがとうマイホーム、行ってくるぜ!」
なぜ、突然町で暮らそうと思ったのかと言うと家が魔物によって壊されてしまったからだ。
信じられないかもしれないが、この世界では、魔法や魔物などが存在するファンタジーな世界なのだ。
俺がこの世界に来たのは5年前、交通事故で死んだ俺は気がついたら自分のことを女神とか言う変な奴が目の前にいた。その自称女神に剣と魔法の世界に行って欲しいと頼まれたがめんどくさいので断ろうと思ったが一つだけ願いを叶えてくれると言うので俺は行くことを決断した。その時願ったことが誰にも邪魔されずに引きこもりたいだ。このマイホームは願いの一部だ。おっと、話が長くなってしまったなそろそろ行きますか。
「そろそろ引きこもるのも飽きたしな、これから何をしようか」
山道をひたすら歩く、時に魔物を殴り、時に魔物を蹴り、時に魔物を喰らいながらひたすら歩き続ける。
「やっと、着いたー長かったー。引きこもりには辛すぎる早くベッドで寝たい……ん?ちょっと待て今俺一文無しじゃね」
どうしよう……あ!そうだこの魔物の角売れないかな。そもそもどこで売るんだ?人に聞くか……無理だな。引きこもりには素手で魔王と戦うレベルの難易度だぞ。どうしよう。
「あの〜お困りでしょうか?」
え!?俺?どうしよう話しかけられたよ。どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう……落ち着け俺、ギャルゲーで学んだことをここで活かすんだ。
「ひゃい!ななななんでしょう?」
やってしまった。5年間ぶりの会話でしかも女性、その上美人の人に話しかけられたら誰だってこうなっちまうだろ。
「困っているように見えたのですが大丈夫ですか?」
「こ、この角が売りぇる場所をしゃがしているのですが」
「それでしたらこの道を真っ直ぐに行って右に曲がったらギルドがありますのでそこで売れるはずですよ」
なん……だと!?ギルドそんな心踊る場所が存在したなんて早速行かなければ。受付ちゃんとできるかな?
「ありがとうございました」
ここがギルドかー、超楽しみ、ワクワクするぜ。これぞ異世界だな。もうこの世界にきて5年経ってるけどな。ここからが俺の冒険の始まりだ!遅くね?