魔法のオルゴール店
初めて投稿
初心者の弱虫です
色々ダメなところがあるかも知れませんが
楽しんで頂けると光栄です
小さな街にある
小さな魔法のオルゴール店。
そのなかには、
10才くらいの少女が一人
ポツンと住んでいました。
『魔法のお店』
と、書かれたオルゴール。
色鮮やかに作られたこの店を
モチーフにしたもの。
冷たいガラス、けれども
そのオルゴールは何処か
暖かみを感じるものでした。
そのオルゴールのネジを
巻こうとした時。
チリンッと、店の鈴が鳴る。
扉が開いた合図。
少女は精一杯の笑顔で
Гいらっしゃいませ」
と、振り向いた。
…………………………店主…………………………………
にひひっと無邪気に笑う少年。
私も苦笑いをする。
コホンッと、咳払いをして箒と塵取りを
ポンッと出した。
おぉと少年の拍手。
私は得意気に割れた
オルゴールの破片を集めた。
Гで、今日はどういうご用件ですか?」
私は少年に訪ねる。
Гいつもの下さい!」
少年は手に持っていた金貨を
見せつけるように差し出した。
Гじゃあ今日はどういうものに
しましょうか?」
Г今日は街をイメージできる
オルゴールがいい!」
元気に返事をする少年は
店の中をキョロキョロ
探し始めた。
Гじゃあ新しく作ったオルゴールが
ありますけどどうですか?」
Г見せて!」
Г少しお待ち下さい」
私はオルゴールの箱を開けて
『幸せの街』
を、開けて少年に見せた。
Г貸して!」
少年が手を伸ばす。
『幸せの街』を手に取った少年は
気に入ったと満足そうに言って
ネジを巻き始めた。
…………………………少年…………………………………
さすがここのオルゴールは他の
オルゴールとは全然違う。
音楽を流し始めるとオルゴールの
中に入れるし足も自由に動く。
試しに走ってみた。
すごく気持ち良い。
風が頬を撫でる、ビュンビュンと
風の心地よい音が耳元を通った。
Гお気に召しましたか?」
あの店主の声。
俺と同じくらいなのにこんな
オルゴールを作れる凄いやつ。
Гすごく良いよ」
足を止めて振り向いた。
あいつは笑うと
Гでは、私は店に戻るので
楽しんでください」
そう言って消えた。
初めてここのオルゴールを
買ったときは驚いたけど
今はもう慣れっこ。
街の中を歩いて冒険する。
街の中はパン屋や洋服屋、
レストランなど様々。
人も赤ちゃんやお婆ちゃん、
俺と同じくらいの子供まで
Гやっぱり楽しいな」
食べ物や洋服はガラスで
出来ているから食べられたり
着たりはできないがそれでも良い。
歩けたり、走れたり出来るのだから。
あの店はとても魅力的だ。
このオルゴールみたいに
街を散歩するのではなく
物語の主人公になったり、
体の何処かに不自由があってもこの世界
オルゴールは関係ない。
Г本当に最高だ」
時計を見たもうすぐ
12時お昼になってしまう。
Г帰らなくっちゃ」
街のおわりにあって、街を囲んでいる
あの透明な壁をすり抜けた。
Гお帰りなさい」
あいつが待っていた。
俺はあいつに金貨を渡して
オルゴールを抱き抱え
Гまた来るよ」
店を出た。
くるくる回る車椅子。
それを見ながらあいつは
何処か寂しそうに見送った。
呼んで頂けて光栄です
ありがとうございますm(__)m