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輝く光

 翌日。

 セレムはいつもより早く目を覚まし、朝の支度も早々とすませた。昨夜は興奮気味で、なかなか眠ることが出来なかった。頭の中はアリシアのことでいっぱいだ。アリシアのことを考えるだけで幸せな気分になる。この気持ちが何なのか、セレムはまだ気づいていない。ただ、一刻も早くアリシアに会いたいと思うだけだ。

 空は晴れ渡る青空。ギルが迎えに来るのを待ちきれず、庭で空を見上げていたセレムの元に元気な声が響いてきた。

「セレムー!」

 昨日のように、アンナが元気良く駆け込んできた。

「今日も母さんが用事で出かけたの!また遊びに行きましょうよ。今日は隣り町まで行きたいわ!」

 アンナは息を切らせながら、嬉しそうにセレムに言った。機嫌はすっかり良くなっているようだ。

「ロバを連れてきてるから、乗って行きましょう!」

 アンナはセレムの腕を取る。

「今日はダメだよ」

 セレムはアンナの手から腕を外した。

「今から竜の谷に行く予定だから」

 今まで誘いを断ったことのないセレムが、きっぱりと断ったことにアンナは戸惑う。

「……竜の谷なんて、昨日行ったじゃない」

「ある人と約束したんだ、今日は一緒に出かけるって」

「ある人って誰よ?」

「アンナの知らない人。竜使いなんだ」

「……」

 アンナの顔から笑顔がなくなっていく。いつも自分の言うことは何でも聞いてくれたセレムのささやかな反抗が、アンナにはショックだった。

「あっ、ギルが来た!」

 空にルピィに乗ったギルの姿が見えてきた。アンナの気持ちには気づかず、セレムは笑顔でギルに手を振った。

「竜使いなんか大嫌い!」

 ルピィが地上に降りてくる前に、アンナは走って帰って行った。


 竜の谷までの道のりが、今日はとても長く感じられた。ルピィは他の竜に比べて速度が遅いが、それでもいつもより遠い気がした。だがその分、竜の谷が見えてきた時の嬉しさは大きかった。

 既にアリシアは家の前で、竜のクレスと待っていた。セレムの胸の鼓動が高まる。

「おはよう、セレム。今日は良い天気ね」

 到着したセレムに、アリシアが笑顔で言う。アリシアの笑顔は今日も眩しい。

「これ持ってって!」

 先に竜から降りていたギルが、籠を下げて走って来た

「お弁当だよ、お昼に食べて」

「ありがとう、とてもいい匂いがするわ」

「ギル手作りの焼きたてのパンと野菜と果物。シンとレナにも渡したから」

「二人は何処へ行ったの?」

 籠を受け取りながら、セレムが聞く。

「いつものように収穫に行ったよ。今日は遠くまで行くって言ってたな。僕はこれからアクセサリー作り。今日は木彫りのブレスレッドを作るよ」

 完全にアリシアと二人だけの飛行になることに、セレムは嬉しさと不安を覚える。

「さぁ、行きましょうかセレム」

 ぼんやりしていたセレムは、竜の背に乗ったアリシアに声をかけられ、慌てて籠を竜の背に乗せた。

「はい。お願いします」

「そんなに緊張しなくて良いわよ。クレスは優しい竜だから」

 アリシアは笑う。セレムの頬は見る見る染まっていった。

「はい……」

 遠慮がちにアリシアの後ろに乗る。竜に乗るのは慣れてきたセレムだが、今日は特別緊張していた。ギルに見送られ、竜の谷を飛び立ってからしばらく胸のドキドキはおさまらなかった。


 やがて、険しい山々の上を飛んでいる時、セレムの目に何か光るものが映った。それは、初めてギルと飛行した時ちらりと目にした光りに似ている。今はあの時よりももっと強い光りだった。

「あれ何だろう?」

「えっ?」

 セレムが下方を指さすと、アリシアも下を覗き込んだ。この前はすぐに消えて分からなくなった光りだが、今度はずっと光り続けている。アリシアもはっきりとその輝かしい光りを目にした。

読んで下さってありがとうございます!

残り1/3くらいで完結する予定です。(あくまでも予定です。^^;)目標の2ヶ月以内はちょっと無理な気がします…短編も書きたいし、リレー小説も頑張りたいです。書きたいものはたくさんありますが、なかなか思うようには書けませんねぇ〜マイペースで書き続けたいと思ってます。

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