プロローグ
新作投稿します。
「魔法」の次は「竜」です。ファンタジーの王道を行きます。(^^;)マイペースで投稿していきますが、今回も愛読していただければ嬉しいです。
「ぼくも竜使いになりたいな。竜と友だちになって、空を飛びたい」
まどろみの中で、セレムはまた同じ夢を見ていた。小さな自分が見上げた先には、いつも優しい微笑みを浮かべた兄、ラルフの姿があった。
「ぼくもなれる?ラルフみたいな竜使いになれる?」
「きっとなれるよ」
つきまとう小さな弟を嫌がりもしないで、ラルフはいつも面倒を見てくれた。
「いつなれる?」
「僕と同じ年になったらね」
ラルフは笑顔で答える。その横には優しい目をした竜のコーリーがいた。大きくて温かくてその背中の上でいくら飛び跳ねて遊んでも怒らず、じっとしてセレムのお守りをしてくれた雌の竜。
「あとどれくらい?」
「セレムは3才だから、後10年。13才になったらなれるよ」
そう言って、ちっちゃなセレムを抱き上げてコーリーの背中に乗せてくれた。コーリーは優しい目。その目に見守られながら柔らかな背中で眠り込む。
13才……
カランッというカウベルの音が小さく聞こえ、セレムは目を覚ました。牛達に草を食べらせている間、木陰で休みいつの間にか眠っていた。午後の日差しは大分傾きかけ、牛達もお腹いっぱい草を食べたようだ。
セレムは立ち上がった。木陰を吹き抜ける風が、セレムの金色の髪をサラサラとなでていく。まだ華奢な少年の体つきだが、背はあの頃の兄と変わらないくらい伸びた。 13才。今日でセレムも兄と同じ13になる。永遠に13才のままの兄、ラルフ。
月日の流れは、無邪気でやんちゃだったセレムから、明るい笑顔を消していった。
読んで下さってありがとうございました。また、長い旅路になるかもしれませんが、最後までお付き合い下さいませ。宜しくお願いします。(^-^)