表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sugartownは恋の都  作者: びん せんと
2/31

第2章~ハッピー・バースデイ~

文通を始めて、桃子の事について、

昭吾はたくさん知る事が出来た。

昭吾との共通点が多いって事。

一部並べてみると…、


青い海が好きだって事。

英語の授業が一番好きだって事。

射手座のA型だって事。

毎晩同じラジオ番組を聴いてるって事。

好きな飲み物は、クリームソーダだって事。


いつしか特別な存在になった桃子と、

文通を始めて一ヶ月経つ。


もうすぐ、桃子の誕生日だ。


十六才を迎える彼女に何をプレゼントしようか?と、

三日三晩考えた。


「カセットテープを送ろう!」


十六才の誕生日に、聞かせたい曲ばかり吹き込んだ。


一九五十年代の、ドゥワップナンバー、

『シックスティーン・キャンドル』を一曲目に。

昭吾のお得意分野だ。


色々、46分テープに吹き込んでいると、

桃子からの手紙が届いた。


いつもの他愛のない内容の文章。

まるで交換日記だ。

そして、桃子からの追伸。


「昭吾くん。大好き!!」


強烈だ。

胸の奥へと突き刺さった、桃子からのメッセージ。

この時昭吾は、始めて距離を悔やんだ。


「桃子に会いたい。会って、抱きしめたい。」


カセットテープには、

昭吾がピックアップしたラブソング。

桃子の誕生日に届くよう、三日前に投函した。

同時に東京の、深夜のラジオ番組にも、

メッセージを出していた昭吾。

桃子も聴いているというプログラム。


桃子の誕生日当日、番組内で読まれた。


「広島のペンネーム、

恋するキャンボーイくんからのメッセージです。


今日は僕の大切なペンフレンド、

東京の桃子ちゃんの誕生日です。


ふーん、ペンフレンドかぁ、懐かしいな。

僕も十代の頃、奈良の女の子と文通してたよ。」


DJが軽快に喋っている。


「リクエストは、僕の思いを込めて、

シャネルズの『月の渚』をお願いします。


じゃ、恋するキャンボーイくんの思いをかけちゃうよ。

遠く離れた桃子ちゃんに届け。

シャネルズで『月の渚~You'll be mine』」


曲を聴きながら、露で曇った窓を開けた。

既に冬のような夜風が入ってくる。

南の空に高く上がった満月を見上げてみた。


「桃子も見ているかな?満月。

聴いてるかな?この歌?」


この曲は、カセットテープにも入れておいた曲。


「♪月のしずくを両手に受けて

ダイヤならこのくらいデカい

心込めお前に贈るよ

Forever and ever You'll be mine…」


心を込めたリクエスト曲が、

夜空に溶けて行く。

ただただ、桃子に届きますように…と、


昭吾には、目標があった。


来春には高校を卒業し、進学せずに職に就く。

就職先は内定済みだが、入社の条件として、

普通自動車の免許を取得しなければならない。

十二月からは、自動車学校にも通う。

さらに期末テスト。

ハードな日々が待っていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ