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 付録設定集 妄想図鑑が世界を変える?〜異世界トランザニヤ物語〜 #イセトラ   作者: 楓 隆寿


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パメラとパミリア



「何を緊張してるのよん? 

 今日からあなたも、魔法省の立派な一員なのよん。

 もっと堂々としなさい、パミリア」


 紫の髪を靡かせ、紅の装備に身を包むパメラは、妹の肩をポンと叩いた。


「私は、おねぇちゃんとは違うの!初めては緊張するし、

 おねぇちゃんみたいな自信もないし、度胸もない。

 魔力(マナ)だって、おねぇちゃんほど持ってもいないもん」


 そう言って、黒縁の眼鏡を指で押さえ、風に靡く紫の短い髪を耳にかけた。

 姉の堂々とした態度とは打って変わり、妹パミリアは臆病な性格だった。

 

 だが、姉妹の見た目は、然程変わらない。

 違いは、胸と髪ーーそして衣装と化粧。

 

 妹はカツカツとヒールを鳴らし、

 短めの黒のタイトスカートから、薄手の黒ストッキングをちらつかせる。

 緊張からか、汗ばんだ白いカッターシャツには、黒いブラが透けていた。


 一方の姉は、紅い装備に身を包む妖艶な魔導士姿。

 鮮やかなレッドカラーのレザー風ショート丈ジャケットが朝日に反射する。


 肩口のゴールドチェーンが歩くたびに揺れる。

 ジャケットの下、胸元が大胆に開いた『爆弾(ダイナマイト)』のーー

 黒のビスチェが大きく弾む。


 丈の短い赤のスカートはサイドには大胆なスリット。


 黒のガーターベルトで吊るされた黒のストッキングが、

 歩く度に人々の視線を集めていた。




挿絵(By みてみん)



 パメラの紅いレザージャケットが、

 朝日に反射して魔法省の白い壁に赤い影を落とした。


 対照的にパミリアの黒いタイトスカートは、

 石畳を叩くヒールの音とともに、

 彼女の揺れる心をどこか現すように小さく靡いていた。


 

 ーーここは『カルディア魔法国』


 この国は、空間を自在に操る魔法の力に彩られた地であり、

 その中心には『マジクダール』と呼ばれる空中都市がそびえ立つ。


 壮麗な 『ヴィクトール・タワーズ』と呼ばれる建物は雲を突き抜け、

 その天空において人々は箒や魔法の乗り物に乗り、青空を優雅に舞っていた。

 

 空に浮かぶ都市は輝く星々とともに、幻想的な光景を描き出していた。


 街は魔法の力で生きており、空中に浮かぶ街灯が優しい明かりを放ち、

 娯楽や知識、魔法の技術が交差する場所となっている。


 人々はその光の下で笑い合い、

 手を取り合い、時には互いの魔法の腕前を競い合う。


 この空中都市は、魔法の恵みを享受しながら、

 日々の生活を豊かにしていく人々で賑わっていた。



 パメラが周囲の視線を跳ね除けながら、

 妹の手を引いて魔法省の巨大な門をくぐる。


 「あたいの後ろを歩きなさい。誰も文句は言わせないわ」


 と姉の頼もしい一言に、まだ緊張を抑えられないパミリア。


 すると、豪奢なローブを纏う落ち着いた男性と数人が近づく。


 「これはこれは、パメラ姫様……こんなむさ苦しい所に、

 わざわざ足をお運びくださり、光栄に存じます」


 深々と頭を下げるその男ーー

 魔法省のトップに君臨する『キンガンデ・ミエ・ナイゼ』その人だった。


 「あら、ごきげんよう。お久しぶりね、ナイゼ氏」


 パメラはそう答えると、魔導士の姿ながらカーテシー(膝折礼)を優雅に見せる。

 姉のその姿に、妹のパミリアも同様に挨拶をするが、どこかぎこちない。


 「こちらの方は?」


 短いちょび髭を指で撫でながら、

 キンガンデ・ミエ・ナイゼはパメラに尋ねた。


「この子のことは、あまり知られてないようねん。

 カルディア王の側室、我が母のファメラ・ルシーヌ・カルディアの次女ーー

 パミリア・ルシーヌ・カルディア。あたいの妹よん」


 そう言ってパミリアを前に押し出した。 


「王族の……次女? 姫様、だと?」  


 ナイゼの背後に控えていた数人の役人たちが、一斉に息を呑んだ。  


 パメラという「動」の象徴のような王女の陰に、

 これほどまで「静」を湛えた、

 それでいて姉と生き写しの美貌を持つ妹がいたとは。


 「ひ、ひぇ……っ」  


 向けられた好奇の視線に、パミリアの肩が小さく跳ねる。  


 姉に背中を押され、一歩前に出された彼女の足元は、頼りなく震えていた。  

 指先で眼鏡のブリッジを何度も押し上げるが、

 緊張でかいた汗のせいで、レンズが少し曇り始めた。


 ナイゼは、その鋭い眼光を一瞬だけ細める。  


「……なるほど。これは驚きました。パメラ姫の背中を追うのが、

 まさかこれほどまでに可憐な、もう一人の月であったとは」    


 彼はゆっくりと歩み寄ると、パミリアの目の前でピタリと足を止めた。  


「パミリア様。ここ『魔法省』は、血筋だけでは渡り歩けぬ、

 実力とことわりの迷宮。

 貴女(あなた)のような繊細な方が、この荒波に耐えられるとお思いで?」


 試すようなナイゼの言葉に、

 パミリアは俯き、タイトスカートの裾をぎゅっと握りしめた。  


 だが、その様子にパメラが、不敵な笑みを浮かべ、艶やかな唇を噛む。


 「いい質問ねん、ナイゼ氏。でも心配ご無用よん。

 この子の内側には、あたいですら持ってないーー可能性を秘めてるの」


 パメラはそう言うと、再びパミリアの肩を強く抱き寄せた。  

 紅いジャケットのレザーが擦れる音が、パミリアの耳元で頼もしく響く。


 「さあ、パミリアを案内しなさいな。

 この子が今日から籍を置く、『冒険者管理課』へ。

 あたいはこれから、カルディア魔法学院に特別講師として、赴かなきゃだから、妹をよろしくねん。失礼させてもらうわよん!」


 そう言って、まだ震えが止まらない妹を指し置いて、

 パメラは優雅にかつ、胸の『爆弾(ダイナマイト)』を揺らしながら去っていった。


 「おねぇちゃんっ!」


 

 そう叫びながらパミリアは眼鏡を床に落とした。







────────────



【パメラ・ルシーヌ・カルディア】 


 



 挿絵(By みてみん)

 ビヨンド村ーー酒場の前で寝ていたパメラ。




 パーティー『リリゴパノア』の防御・補助魔法担当の『赤大魔導士』。


 冒険者ランク『S級』    31歳。


 カルディア魔法学院の特別講師。 


 『教授』になるために『S級』を目指していた彼女。

 『A級』だった彼女は、ビヨンドのダンジョン攻略とともにーー

 『S級』に昇格した。

 

 『カルディア魔法国』の姫であるが、側室の娘であるため継承権は低い。

 側室の子であるために、王宮を追い出されーー冒険者になる道を選ぶ。


 カルディアの魔法省に勤める”母が同じ妹”がいるーー

 パミリア・ルシーヌ・カルディア。



 一人称は、あたい・わたくし。



 パメラの初登場は、ゴクトーがビヨンド村の冒険者ギルドに訪れた時、

 彼女の足を踏みつけたことが最初の出会い。


 アカリとジュリも実は、宿屋帰巣の前で目撃していた。


 挿絵(By みてみん)

 パーティを組んだ時のパメラ。


 この当時、毎夜の晩酌で瞼は腫れ、顔はむくみ気味。



 【防御魔法】、【補助魔法】は、特別講師を勤めるだけあって実力派。


 装備は紅色と蛇皮や、蛇のモチーフを好む。


 最も好む下着はレースの薔薇柄。

 収集もしており、常に身につけている。



 挿絵(By みてみん)

 魔力回復薬を飲むパメラ。


 

 そして、彼女の家系の特徴ーー


 「あたいの家系の女は、爆胸が揺れると魔力が消耗するの。

 笑っちゃうでしょ! いいダイエットにもなるのよん!」


 ーーパメラの独白より。


 ダンジョン内の秘湯に浸かるパメラは、若返っていく。

 


  挿絵(By みてみん)

 打たせ湯にいるパメラ。


 言葉遣いを使い分ける器用な美女、そのギャップも凄い。




 挿絵(By みてみん)

 パメラがボス部屋の扉を開けた瞬間。


 


 

 挿絵(By みてみん)

 ダンジョンアタックの際『爆弾』をブルルルンと揺らし、

 最後のボスを吹き飛ばす。




 『爆弾(ダイナマイト)』の弩級の胸がーー実は最大の武器かも?


 


 挿絵(By みてみん)

 異世界特有の装備も彼女は上品に着こなす。

 美しく着飾るのも大好きな彼女だった。





 挿絵(By みてみん)

 現在のパメラ。


 大人の色気を武器に、ひたすら〝お宝〟を狙う。



 *パミリアの詳細は、物語の進み具合によります。













 お読みいただき、ありがとうございます。


 思えば、パメラのキャラクター、書いてるうちにどんどん変わっていきました。

 イラストも、最初は上手く定まらずーー。

 現在のパメラがお気に入りですーー作者独白。




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― 新着の感想 ―
パメラさんに妹が(^。^)いるのは、本編でも語られていましたが、深掘りされると姉妹の違いが良くわかりますね。 ナイゼ氏のネーミングセンスに脱帽です(^_-)
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