↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
付録設定集 『妄想図鑑』がこの異世界を塗り替える! 〜英雄トランザニヤの末裔とその仲間たち〜  作者: 楓 隆寿


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/19

ジュリの性格と稀なスキル




 それは、わたしのネー、アカリが婚姻する三日前のことーー。

 わたしはこの時16歳になったばかり。

 ネーの嫁入り道具を不満げにもせっせと整理をしていた。


 どこにいったのかーー姿をくらましていたネーがわたしに駆け寄り、

「冒険者になるわ」と。


 赤碧の瞳を輝かせながらあっけらかんとした笑みを溢す。


 もちろん動揺したし、困惑もする。

 けれど、ネーの性格を熟知しているわたしは、心では諦めていた。

 ネーは一旦言い出したら梃子でも動かない。


 仕方なしの言葉を漏らす。


「どうせ、曲がらないんでしょ?」


 わたしの言葉に、ネーが喜びを顕にした。


 わたしたちはその夜、屋敷を抜け出し夜道を歩いていた。

 夜風は冷たく、舞い散る桜の花びらが月夜に照らされていた。


 ふと、背中を襲う悪い予感。その瞬間、目眩とともに意識が薄れていった。


 

「ジュリ、大丈夫?」

 

 ネーの揺さぶりに気がついたわたしは、ハッと目を開いた。


 何が起こったのかもわからず、周囲を見回す。

 だが気がつけば、

 そこはわたしたちが以前いた『ヤマト』とはーーどこか違う。

 見慣れない建物、夜空には”二つの月”が浮かんでいた。


「どうやら、私たち何かに巻き込まれたみたいね。

 大丈夫よジュリ、心配しないで」


 そう言ってネーは、わたしの桃色の髪を優しく撫でた。


「もしかして、母様が言っていた、これは”ねじれ”?」


 わたしの言葉にネーは静かに頷いた。


「今さら、引き返せないわ。とにかく、この『ヤマト」から出るしかないわね」


 ネーはそう言って立ち上がった。

 わたしも軽く頭を振って現実に目を向ける。


「 ふふふ、この世界ーー不思議ーー道は変わってないようね」


 ネーがその瞬間、あることに気付いた。

 不思議なことに、地形自体は何ら変わってないようだった。


 わたしたちは、すぐに『ヤマト』で唯一の港ーー清水港へと向かった。


 夜も開け、空が墨色に変わる中、そこには、我が『巫代家』が懇意にしている貿易船が停まっていた。

 船内に駆け上がり、ネーが交渉を始めた。わたしも後に続く。

 交渉は長引いたが、


 「船長。どうかこれで」


 ネーはそう言ってダークエルフのグリッド船長の手に、大判金貨を握らせた。


 「責任は持てませんからね。野郎どもーー出航だ!」


 グリッド船長は、額に冷や汗を朝日に光らせながら声を張り上げた。


 「ボーー!」


 汽笛を鳴らし、潮風を受けながら貿易船は、大陸を目指して進んでいった。


 貿易船は荒波を切り裂き、大陸目指して突き進んでいた。


 朝焼けの海は、希望と同時に未知の恐怖を孕んでいる。

 甲板の隅で、わたしは揺れる船体に慣れない身体を必死に支えていた。

 隣ではネーが、潮風を全身で受け止めながら、好奇心に満ちた目で水平線の彼方を見つめている。  


 この時、わたしはまだ、この先で何がわたしたちを待ち受けているのかーー

 正確には理解していなかった。


 ただ、ネーの隣にいることが、わたしの唯一の安心材料。


 その時だった。


 「船長! あれをご覧ください!」


 見張り台からの叫び声が、一瞬にして船内の空気を凍らせた。


 グリッド船長が顔を青ざめさせながら指差す先には、

 海面に巨大な影がうごめいていた。


 漆黒の鱗を持つそれは、海竜か、あるいは神話の怪物か。

 異世界の猛威が、わたしたちに牙を剥き始めた。


 「くそっ、こんな時に限って! 野郎ども、戦闘準備だ!」


 船員たちが慌ただしく動き出す中、

 ネーはすでに船縁に立ち、

 腰に差した【桜刀・黄金桜千貫】の柄に手をかけていた。

 その桃色の髪が風に靡き、瞳は獲物を捉える狩人のように輝いている。  


 わたしは、震える足でネーの傍に駆け寄った。


 「ネー、危ないわ! わたしたちが戦う必要はないでしょう!」


 「ジュリ、これが私たちの初めての冒険よ。

 それに、この船は私たちを乗せてくれたんだもの。

 見捨てるわけにはいかないわ!」


 ネーの言葉は迷いなく、彼女の決意を揺るがすことはできないと、

 わたしは知っていた。


 巨大な怪物が船に迫る。

 その圧倒的な存在感に、船員たちは次々と腰を抜かし、

 弓を構える手も震えている。    


「このままでは……!」


 怪物は唸り声を上げながら、巨大な顎を開き、船を丸呑みにしようと迫る。


 ネーが刀を抜き放ち、得意の【巫代流舞刀術】で切り込もうとする寸前、

 ふと、頭の中に熱い痛みが走った。    


 ――『巫代の血を継ぐ者よ。その力を解き放て』


   耳の奥で、そんな声が聞こえたような気がした。  


 わたしの身体から、これまで感じたことのない紫色のオーラが立ち上り始めた。


 それが何なのか、全く理解できなかった。

 だが、このままではネーが危ない。船が、皆が危ない。  


 「っ……はあああ!」    


 わたしは無意識に、右手を突き出す。

 手のひらから噴き出した漆黒の魔力(マナ)が、

 目に見えない楔となり、巨大な怪物の影を船体へと縫い付ける。

 怪物は、まるで巨木に縛られたかのように身動きが取れなくなり、

 その巨体が海に沈んでいく。


 ーー沈黙。  


 そして、甲板に響く船員たちの驚嘆と歓声。    


 「ジュリ、すごい……! 今の、あなたの力なの……?」    


 ネーのその言葉に、わたしは震える息を整える。


 挿絵(By みてみん)


 

 『月刀・常闇ーーあなたはそれを持っていなさい』


 脳に響いた柔らかい女性の声ーー。

 その瞬間目の前には、すでに【月刀・常闇】が握られていた。


 いつの間に、それがわたしの手にあるのかもわからない。  

 冷たい刃の輝きは、海面の月光を吸い込み、漆黒に輝いている。    


 これが、巫代の力が目覚めた瞬間だった。  


 そして、わたしの「月刀・常闇の守護者」としての旅が始まったーー。






──────────────



 【ジュリ・ミシロ(樹里・巫代)】  


 〝桃髪の黒の戦慄〟

 

 パーティー『リリゴパノア』の攻撃・治癒魔法担当の『魔導師』。



 挿絵(By みてみん)


 イラストはジュリ17歳。


 『ヤマト』出身でミシロ家の次女。


 アカリの五つ歳下の妹。


 武者修行の旅から帰って来ない義理の兄ナガラを探す為に、

 姉のアカリと一緒に『ヤマト』の国を出て冒険者になる。


 自身が保有するとてつもない魔力(マナ)量で、

【多重魔法】や【広範囲治癒魔法】ーー

【火属性・水属性・氷属性・雷属性攻撃魔法】を駆使する。



 挿絵(By みてみん)


 イラストはジュリ19歳。

 この時の冒険者ランクは『A級』。

 ーー【転移魔法】まで使いこなす【魔導士】としては超一流の冒険者。




 初対面や知らない人には、生意気な態度を取りがち。


 実は姉想いの優しい性格。

 小さい胸が常にコンプレックス。


 『ヌーブラン』のおかげで『Cカップの胸=小谷山』ができて喜んでいた。


 ビヨンド村の新ダンジョンをクリアして『S級』に昇格。


 ーー胸はないが綺麗な美脚の持ち主で『作家』を夢見るキュートな美女。


 黒色やボーダーの下着を好む。  


 一人称はわたし。


 ゴクトーに想いを寄せアピールしようとするが、いつも裏目に出てしまう。


 巫代家の女性は代々ーー『ボイン』の家系。



 挿絵(By みてみん)



 最後のイラストはジュリの未来の姿ーー。

















 







 お読みいただき、ありがとうございます。


 気に入っていただけたらブックマークをお願いします。

 リアクション、感想やレビューもお待ちしております。

【☆☆☆☆☆】に★をつけていただけると、モチベも上がります。


 引き続きよろしくお願いします。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードは、本編でかたられなかった所ですね。 ジュリちゃんの成長イラストが、セクシーです\(//∇//)\
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。