シスター・カノン
朝日がステンドグラスから差し込むコリン教会。
教会は、街外れの長閑な森にひっそりと佇んでいた。
併設された孤児院では、お祈りが済むと朝食。
硬いパンと、ほんのり塩味がついたーーちょっと甘い香りがするオニオンスープ。 それを皆、うまそうに食べるのが日課。
片付けは俺たちの担当。
自分で使った皿やコップは洗うように躾けられた。
「私は教会に参りますので、いつものように薬草をお願いね。
ですが、薬草が見つからずとも、決して奥にはいかないこと!」
そう言いながら治療院へ向かうシスター。
教会とは、さして離れてはいない。
教会を訪れる呪いや麻痺状態の患者のために、
シスターは聖水や薬を無償で施していた。
シスターに頼まれ、毎朝のように俺たちは薬草採取に出かけた。
この森は魔物や獣が出ないらしい。
なんでも司祭様が周辺に”結界魔法”を張っていると聞いた。
この日、なかなかいつもの薬草が見つからず、
俺たちは知らぬ間に陽も差さない暗い森の中まできていた。
「おい、帰ろうぜ、ゴクトー!」
「そうだよ、ゴクトーにぃ危ないよ」
俺は銀髪を小枝に擦らせながら、藪を抜ける。
茶髪を靡かせケントが恐る恐るの声を漏らす。
連れの妹ミクも、俺の腕を掴みながら止めた。
「でも、見つからないとシスターが悲しい顔をするから」
俺はそう言って藪を踏み鳴らした。
司祭様の結界がきっと守ってくれる。
思いながらずんずん進んだ。
どこか緊張感が漂い始めたーーその瞬間。
ガサ…ガサ…
奥の方で木々が揺れた。
「何か!いる!」
ミクが声を張った。
「ぎゃぎゃー!」
俺たちはゴブリンの群れに囲まれていたーー。
──────────
*【作中補足と登場人物】*
【シスター・カノン】26歳
倒れていたゴクトー(当時10歳)をこの孤児院に連れてきた。
コリン聖教会所属の乙女。
だが彼女は……。
【ケント・デリカモット】
両親に捨てられゴクトーと一緒に孤児院で育った双子の兄。
【ミク・デリカモット】
ケントの双子の妹。
【 魔物名】ゴブリン(Goblin)
• 分類:亜人系
• 生息 森、ダンジョン。
• 危険度:★★☆☆☆
• 特徴:小柄で俊敏。集団で襲う習性があり、火に弱い。
• 備考:知能が高い個体は“ゴブリンソルジャー”や“ジェネラル”へ進化する。
お読みいただき、ありがとうございます。
気に入っていただけたらブックマークをお願いします。
リアクション、感想やレビューもお待ちしております。
【☆☆☆☆☆】に★をつけていただけると、モチベも上がります。
引き続きよろしくお願いします。




