図鑑No.00:赤絹シタギ(アカギヌ・シタギ)
──「ここから先は俺の妄想世界の話だ。つまり、重要だってことさ」
これは、神代魔法の一端。だが俺にとっては、日常に潜む非常事態──。
胸の『江戸っ子鼓動』が俺の頭に一冊の図鑑を送る。
「旦那、まずは開いてみてくださいな。ただし── 一度開いたら後戻りはできませんぜ」
そう言って鼓動はふわっと消えていった。
俺は頭の中を整理しながら……恐る恐る一枚目のページを捲った。
異世界のグリモア──それはまるで魔法の扉の鍵のような、神秘的な宝物。
妄想図鑑を開いた瞬間、脳内が一変し、無数の光がほのかに輝きながら舞い上がる。
それは、古代の文字や奇怪な記号が現れるが、不思議なことに俺には読めた。
そのグリモアは、まるで生きているかのように柔らかく、ページの間からは微かな魔力の流れが感じられる。
ページの一つ一つには、異なる妄想の風景や生き物、魔物が細密に描かれている。
時折、ページの端に浮かび上がる光の粒子が、まるでその内容を生き生きと語りかけてくるかのようだ。
表紙には、古代の紋章や謎めいたシンボルが刻まれ、触れると暖かさとともに奇妙な安心感が伝わる。
ページをめくると神代魔法の秘密が明らかになり、俺の想像力を刺激してやまなかった──。
(*バトルコスチュームです)
■ 分類名:艶姿顕現型・超妄想精霊
• 妄想発動条件:
江戸っ子鼓動の臨界突破 × 目線の暴走 × 甘い香りの残像
→ 発動確率:極めて高い。
•通称:「妄想界の紅き女王」
「妄想の奥義・最終形態」
「神代魔法を揺るがす者」
■ 外見特徴
• 紅玉のように艶やかな絹の肌着をまとう幻影の美少女。
• そのシルエットは柔らかく、線が極めて繊細で残酷なまでに美しい。
• 目が合った瞬間、視界の中心が“赤”に染まる演出あり。
■ 内面/キャラ性
• セリフは時代劇調、挑発的な視線と所作がすべてを物語る。
• 「語らない分、語っている」系の最上級妄想体。
• あくまで“ゴクトーの無意識”が創り出した存在であるため、制御不能。
• 近づきすぎると、鼓動が暴走 → 妄想世界が現実に侵食するリスクあり。
■ 神代魔法との関連
• 関連呪式:「朱染召喚陣」妄想が現実化する直前に出現するサイン。
■ 発動魔法候補:
- 「幻衣招来」:自身の理想を具現化し、戦闘補助として展開。
- 「妄想護身結界」:敵の視線を逸らし、注目を一点に集める防御魔法。
■ 備考
• 赤絹シタギは、「妄想タイム」の中でもっとも視覚的・衝撃的なキャラクターであり、神々ですら一瞬黙るという記録がある。
• ゴクトーの中では「出るとマズい」と理解しながらも、もっとも頻繁に出てくる妄想体。
• “禁断の妄想核”とも呼ばれ、神代魔法の暴走トリガーにもなりうる。
■ 図鑑メモ
「その赤き絹、視界に入れた瞬間に、俺の脳内は別次元に突入する……」
⸻ゴクトー(妄想から目覚めた直後の独白)
このグリモアはただの図鑑ではなく、妄想と魔力の結晶だ。
ページを閉じても、その余韻は心の奥底に残り、俺の妄想を絶え間なく掻き立て続ける⸻。




