ANCRYKILL
【ANCRYKILL's monologue
with cigarette】
俺は家族をヒーローに殺された。
親父をはやくに亡くし、
大黒柱として一家を支えて
やらなくちゃならなかった。
他の同年代が、青春を謳歌してる時、
生きるために働いていった。
せめて、妹や弟には学校に行ってほしい。
そして、『青春』ってものを感じてほしかった。
だが、ヒーローは、常に正しくなかった。
煙草を吸う、そして、高層ビルの街並みの何処かで事件は起き、泣き、悲しみが起きている。正義は表側でしか行使されない、だからこそ、あの出来事を俺は許せなかった。
許せない思いが、今の俺をANCRYKILLという仮面を作ったのだ。
【BIRTH of ANCRYKILL】
怒りを抱いた時を忘れはしない…
あの日は、母の誕生日だった。
いつも、懸命に働いて、身を粉にして
養ってくれる大切な人の為に、
カレーライスを作ろうと考えた。
いつも働いている職場の店長から、
ケーキも貰った。
「お袋さんによろしくな」
「店長…」
「俺はお前さんの父親じゃねぇ、だけど、俺の子と同じくらいのお前さんを見てるとよ、父親的なことをしてやりたいと思ったんだ」
涙が出た…社会は厳しく、貧しく、弱音なんて吐いていられなかった俺にとって、その思いは、最初で最後の涙であり、笑顔だった。
今ではもう、感情すらも失った…。
心の中に押し込めた怒りの炎が俺を突き動かしていった。あの出来事が…
数時間前、笑顔だった顔が崩壊する、
歪んでゆく…燃え上がってゆく怒りへ
開けられた扉の先には
倒れた家族の姿、
脳天を撃ち抜かれた母、
何度も腹部を貫かれた弟
妹の姿がない…
そして、警察に連絡し、
ヒーローにも願った。
「お願いだから…妹を…
もう俺に残された家族は…」
「すまない、君の妹を助けるためにはお金が必要なんだ」
「え……」
言葉を疑った…
「ほら、カメラがないヒーローなんてボランティアだよ、何事にもお金は必要だし、対価だっている。なぜ、僕のような高潔なヒーローが君みたいなエキストラを助けなくちゃならないんだ」
警察もヒーローも
正義なんてありはしなかった。
テレビ上だけの薄っぺらい、
薄汚れた感情が吐き気を催した。
「どうして、ヒーローってのは、悪党を倒すんでょ、だから…」
「僕は正義の味方だよ、いつだって、正義の味方さ…そう、お金があれば、僕はヒーローとして動くのさ、Time is Mony,Golden Ballってね!秩序、なんてもんはキラキラしていて楽しいよアハハ」
こんな奴が許されてなるものかと…
心の奥底で、そして気づいてしまった。
後になって、犯人はヒーローってことを…
目の前にいたヒーローが妹をレイプし、
殺し、裏路地のゴミ箱に
捨てたんだということを…
その時点で警察は、お金を掴まされていたのだろう。後になって、彼らを問い詰め、
同じようにその家族を殺していった。
そして、GoldenCandyを突き止め、
最後の言葉すらも
クソの価値でしかなかった。
【Be Not Justice,But Be Shadow 】
正義は死んだ、表の正義は腐ってることが
わかった。
称賛される正義には、必ず、裏ではとんでもない犯罪をしてるってことに…
ならば、俺は正義ではなく悪として、
反正義をこの刀によって、彼らを斬る。
もう戻れない思いを…
もう取り戻せない家族を…
悲しむのは俺だけで済ませたいからこそ、
正義のヒーローを闇夜にて殺すのだ。