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豪雨の中で
梅雨の時期、川の水の量が多いなと思いながら釣りを続けていると、少しずつ川の水位が上がってきた。
さっきまで麦わら帽子の上をパラパラと降っていた雨の音も大きくなり大降りになってきた。
川の中心は、ゴーゴーと茶色い水が波打っている。
自分の周りは波もなく茶色い水たまりのようになっている。
もう手仕舞いするかと思いつつ竿を振ると、当たり。
取り込んで竿を出すと続けざまに当たり。
どうやら鮎は流れのキツイ濁流を避けて、こちらに逃げて来てるようだ。
ここからはゴールデンタイム。
大量の鮎をゲットし、我に帰ると腰上まで浸かり、流れも早くなってきた。
これはやばい。
岸まで流されつつ近付きなんとか生還することが出来た。
鮎釣りでもやはり死ぬ時は畳の上で死にたいものだ。
なおその時の鮎は食べると砂で口の中がジャリジャリした。