鮎の一生
鮎の寿命は1年という。
最初は小イワシくらいの大きさから、鮎釣り終盤になると30センチほどの大きさになる。
6月の解禁日には、小イワシくらいのサイズが多い。
大きくてもししゃもくらいか。
この時期でも、八丈と呼ばれる釣り場では、高瀬堰を海がわりとして鮎が育つのか、
一回り大きめのサイズがまとまって釣れていた。
これは30年前の話になるが。
小イワシ程度の鮎は、内臓を指の先を腹に入れて取り出し、天ぷら粉や唐揚げ粉で揚げていた。
口に入れると微かに鮎の風味がして、ビールのつまみに最高だ。
7月になると、雨が降る合間を縫って釣りに勤しむが、釣りに行くたびにししゃも大の
サイズが増えてくる。
鮎の背越しにするのであればこの時期だ。鮎のキュウリの匂いが増してくる。
8月のお盆の時期ぐらいから丸々と肥えてサイズも25センチくらいも出てくる。
鮎のスタミナもあり、取り込むのが一苦労となる。
鮎をグリルで焼くと、鮎から黄色い油が湧いてくる。
自分的にはこの時期の鮎が一番美味しいと思う。
9月になると、鮎が白子や卵を持ち出す。
サイズも揃って大きくなり、釣れた鮎が少ない数でも満足できる。
焼いても良いし、内臓を取り出してうるかにしたりする。
10月になると、落ち鮎と呼ばれる、黒く腹が凹んだ状態になった鮎が釣れ始める。
サイズは大きいが、鮎に体力はなく、すぐに上がってくる。
落ち鮎は、そのまま焼くことはなく、燻製にして正月のつまみにする。