48/54
鮎舟を押して上流に持っていく
漁協員には鮎舟で釣りをする人がいる。
目的とする場所までの移動は竹ざおを川床に押し付けるようにして移動するのだが中にはすごい人がいた。
白いシャツと、同じく白いブリーフ姿となり、川に降りて鮎舟を押すのだ。
見た目は60歳ぐらいか。
小柄な体で、浅瀬を選んで舟を後ろから押すように進めていく。
舟の後ろ一点で押しているので先頭の向きが変わらないか心配するが、不思議と向きは変わらない。
浅瀬の石につまづいて転ばないかとハラハラする。
浅瀬を100m以上押し上げた後、すがりつくように這い上がる。
その後、服を身につけて釣りはじめていた。
書きながら思ったが、白シャツとブリーフになるのは川で転倒した時を考慮していたのかもしれない。