47/54
豊漁の年
豊漁の年は例年と違うことがあった。
2017年は豊作の年だった。
ゴールデンウィークには、太田川下流の大芝水門が干潮時、キラキラと光りながら鮎が水門を上がっていくのが見える。
海で育った天然遡上の群れだ。
太田川支流の橋でも、橋の上から川を見ると、鮎が群れているのを確認することができた。
釣っている足元にも鮎が泳いでいる。
鮎が足元にも湧いているのだ。
鑑札を持っていないからかもしれないが、太田川支流の古川でも竿を出している人がいた。
落ち鮎の時期になり、安佐南区区民センター近くの古川の橋の上から見下ろすと、川の中には、白く横たわった鮎の死骸がいくつも太陽の光を受けて、白く反射するのが見てとれた。
あの豊作の年と、今では川の中は何が違っているのだろうか。