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梅雨時期

6月1日の解禁日を迎えてすぐに梅雨入りする。

梅雨の時期は、雨が止んでしばらくして水位が下がった時しか釣れなくなる。

河川の水位が高いと、これまでは川に浸からなかった部分に生えた草が水中に没し根掛かりの原因になるためだ。


雨は釣り師にとって悪いことだけではない。

鮎の餌になる珪藻の枯れた部分を洗い流す。

鮎は一雨で1cm育つと言われる。


雨の間は、買い物や散歩にかこつけて河川を見に行ったりする。

川に入れるのはしばらく先のようだ。


時に大雨は、瀬を砂で覆い、淵を埋め、釣りのポイントを消失させてしまうことがある。


梅雨の中休みに鮎釣りをしていると、雨が降って来て、そのうち本降りとなる。

上流から草木や小さなゴミが流れてくる。

膝上だった水位が10cmぐらい上がってきた。

透明だった水が心なしか濁ってくる。


ここら辺で納竿にしようか。


河原に上がり竿をたたみ、クーラーを肩にかけ、川を振り返る。


北斎の絵のような線に見えるほどの雨の中、くすぶった景色の中でポツンと見える、今だに川に残って釣っている人の無事を願いながら家路に着く。

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