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うるか
鮎の燻製や刺身を作った際に余った内臓はうるかにすることがある。
うるかとは塩辛のことだ。
山間部の道の駅では、内臓だけでつくる苦うるかと、身も入れた身うるかが売っているが、その分類では苦うるかの作り方となる。
まずは内臓を取り出し、腸の中に砂が入っている場合にはジャリジャリするので、包丁で内容物を漉し出す。
その後、さっと水で洗いキッチンタオルで水分を拭き取る。
熱湯消毒した容器に内臓を入れ、横から見た量の5分の1の塩を乗せる。
新しい割り箸でかき混ぜる。内臓に塩の粒がまとわりつく状態になれば良い。
それを2週間くらいは毎日新しい割り箸でかき混ぜる。
発酵の進みが遅い場合は、冷蔵庫から出し、常温で発酵を進ませる。
最初は赤黒かった色が茶色になれば完成だ。
うるかを舌に少し乗せ、熱燗を流し込むと、内臓のなんとも形容されない複雑な旨味が口の中に拡がり答えられない。
我が家の冷蔵庫には3年物のうるかが転がっている。
昔は子供がお腹を壊した時の整腸剤として使われたと聞く。