釣り方
コロガシ釣りの釣り方は、川に向かって正対し真っ正面に錘の付いた竿を振り、錘を軽く引っ張る速さで竿を下流に90°傾けたところで一歩下流にカニ歩きで下り、再度竿を振る。
これを繰り返し上流から下流に向けて釣っていく。
鮎が釣れた時には、針にはカエシがないため、ハリスにテンションをかけたまま釣り上げる。
水面を鮎がバウンドするように手元に持ってくると鮎が逃げる可能性があるため抜き上げると水面には落とさず、麦わら帽子に被せた手網を取り直接鮎を網に入れる。
手網を取るのにモタモタしたり、小さい鮎だと竿でぶら下げたまま放置しがちだが、鮎が暴れると仕掛けが絡まり使用できなくなるので横着せずに素早く手網で鮎をキャッチする。
先に釣りをしている人が近くにいれば挨拶をし、何処から釣り始めるかを話し、了解をもらってから入るとトラブルにならない。
一般的には、釣っている人の下流に入らない。
上流の人が突然自分の目の前に錘を叩き付け、「この範囲に入るな!」と怒鳴られたことがある。
川の両岸の人が正対するのも良くない。
多少、上流、下流に分かれて交互に位置するのが良い。
ある程度まで下流に降ると一旦岸に戻り、上流の釣り始めた場所に戻る。
戻る前に岸に置いているクーラーボックスや仕掛け入れから、水分の補給、および錘や仕掛けの補充を行う。
その後、同じ事を繰り返す訳だが、前回パタパタっと釣れた場所や、仕掛けを根掛かりさせた場所を覚えておき、釣れた場所ではゆっくり何度も竿を振ってみたり、根掛かりする場所では竿を振らずにやり過ごすことで効率的な釣果の向上を狙う。
タチの悪い根掛かりの例では、誰かが根掛かりさせたワイヤーテグスが水中に絡まっていることがある。ワイヤーテグスを撤去するため手に巻きつけて引っ張った所、指の皮が裂け赤身が見えたこともあった。このような場合は、手網の柄に巻き付けて引っ張るなどの注意が必要だ。
下流に鮎釣りの和船が出ている場合には、舟を固定したり、舟の位置を上流に引っ張り上げるための錨からロープが伸びていることがある。
ロープに仕掛けを引っ掛けると仕掛けの回収は出来ないし、何度も仕掛けを失うことになるので、錨を目視、または位置を推定しそこまで下りると、上流に戻って釣り直す判断が必要となる。
また釣りをしていても、ボーっとせず周りの人の動きに注意しなければいけない。
たくさん釣っている人がいれば、その日は無理でも後日、自分が川に入る場所の参考になる。
川の対岸の人が釣りした(叩いたと言う)時には鮎がこちら側に逃げて来ているので釣果を挙げるチャンスとなる。
半日くらい人の動きを見て、誰も入っていない場所で叩くと入れ掛りになることがある。
入れ掛りは、竿を振って錘を川に入れるたびに同じ場所で鮎が掛かることを言う。
また、水深10cmの浅い瀬が続く場所で小鮎が跳ねている時に、根掛かりしない様に軽い錘に取り替えて叩くと小鮎がバタバタと釣れることがある。
昔はそれらを先達の釣り師が教えてくれた。