表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

2−3 踊りとは元々 神との交流

小太鼓の前に建が座り、ぽこぽこと叩く。

その音に合わせて愛未が腕を振るが…


「愛未ちゃん、もっと優雅に上半身ごと回って。」

「十手が重いんだって!

 これ、十手関係ある?」

「包丁より重いもの振れないっていうから、

 体力強化の為に持ってもらってるんだ。

 踊りって結構体力使うから、

 そういう負荷も必要なんだよ。」

「新年を寿ぐ踊りって、今から練習しなきゃ駄目?」

「体力強化を兼ねてやっておこうよ。」

「う〜ん、重い!」


そういう訳で、

建の頼み事というのは踊りを覚える事だった。

十手は体力強化の為に持って練習しろとの事。


それなら、ダンベルで良さそうなのに…


薊は徳河の動きを探っていたが、

表立った動きはなさそうだった。

府中御殿跡は久能山から日光に分葬された際に逗留された地との事だが、

今は何らかの陰謀を企む様な地ではなかった。

また、霊力で探知をしてみても、

何らかの穢れ、淀み、亡霊の気配はなかった。


さすがに、実家で陰謀は起こさないよね?

都心の徳河家を探るのは、

徳河家、陰陽寮の両者を刺激したくない為、憚られた。


土曜の午後、愛未の家を訪れた薊は建に報告する。


「という訳で、今のところ手がかりはないよ。」

「徳河縁の地、というより、奴が亡霊として蘇ったとして、

 隠れやすい地を考えたほうが良いかもしれないな。」

「井戸に隠れて、人が来たらうらめしや、とか?」

「四谷かよ!」

「四谷は陰陽寮を刺激しそうだから行きたくないな…」

「いや、もう井戸ないだろ!?」

「実は某寺に縁の井戸というのが残ってて…」

「怖いから埋めろよ!!!」


キツネーズの相談中、愛未は腕をマッサージする。

このくらいの運動はした方が良いのだろうけど…

そう考えている間に薊達が客間から出てくる。

「ところで愛未ちゃんの踊りはどんな具合?」

「上手くなる気配がないよ…」

「ちょっと見せてよ。」

「え〜〜…」

「一度薊の感想も聞いてみようよ。」

「う〜〜…」


建の小太鼓ぽこぽこに合わせて踊る。

「愛未ちゃん、そこはすり足で。

 その後の足上げとんとんとの対比を明らかにするんだよ。」

「すり足って何?」

「地面を擦るように足を滑らせるんのよ。」

「注文が多いなぁ…。

 私がアイドルグループのオーディション受けないのは、

 ダンス選考で絶対落ちるからなんだよ?」


まぁ、写真選考は百歩譲るとして、

書類選考のスリーサイズの一番上の数字で落とされるだろう、

と建は高校1年の女子の過半数を敵に回す様な事を考えていたが、

賢明にも口には出さなかった。


この物語はフィクションです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ