Don't touch
アステカの祭壇に少女が掲げられている
ハムのようにロープで縛る必要はない‥それは既に死んでいる
先に宣言しておこうこれはハッピーエンドのウィルメイドプレイだ━イプセンの野鴨のように
我々は低俗に向かっていく。その歩みを緩めることはできるけれども
先に述べた男と少女は親類関係にある
3等親2等親1等親それか全く血縁関係を持っていないかそれは読者諸君の裁量次第だ(ク実にだってそのくらいの自由はある━彼らは非自発的失業者ではあるが)性的興奮を惹起させるためだけの架空の婚姻関係や親類関係が旅には欠かせない
平凡な男は写真を取り出し見比べた
肩を抱きすくめる笑顔の二人
まるで黄金時代のハリウッド!当然祭壇には人の姿はない
男は遠くにタップダンスの音を聞きながら、**したい四体の死体を見る
男に『無関心な人びと』の軽蔑と『氷|アンナ・カヴァン』の淫靡な欲求がアンチノミーに励起した
そして、モニターの前には陰茎を掴み固唾を呑んで見守る男
突如モニターの前の男は声をかけられる
「君はクビだ」
━━いや、なぜです?業績も好調なのに
男は毛沢東のために捏造した記録(ルイセンコの農地革命のお陰で今年は豊作だった)を出し自分の息子をしまった
「クビだ。これは決定事項だ。これ以上ゴネるなら人民法廷だ。」
━━いやだ!せめて人民裁判にしてくれ!ゴルバチョフに名誉を回復してもらえない!
男はズボンを脱がされケツな穴を隈なく探られてから足を引きずられ屋上にある貯水槽に押し込まれ投げ入れられた[・・・]←濃縮ダークマター
なぜ濃縮ダークマターか?この小説には何かが足りないそうだろう
はっきし言ってこれは小説ですらない離散…離散文…
筋はなく登場人物は交差し時系列に枠構造すら原文ママならない
だが濃縮ダークマターがあれば?
濃縮ダークマターはこの世とあの世のアンドロギュノスで万物の産みだ
濃縮ダークマターがこの孤独に苛まれた現代病の我々には必要だ
機械仕掛けの濃縮ダークマターのマクガフィンこれさえあれば地位も名誉も物語性も何もいらない
[・・・]
隣に先客がいた━少女か?男は腐食でぬかるむ皮膚を引っ張り剥がした少女ではなかった
その女にはエリサ・ラムという名前があった
彼女は恵まれない家庭ながらも異国であり故郷である土地で懸命に生きそして悩みなき悩みに悩まされた
悩みの具体は後からきた、足りない単位・家族への秘密・商品として消費される記号・そしてニャルラトホテプ
サヴタージュ。
エリサはエレベーターで小人ダンスをした後身投げして死んだ
享年21歳だった
無駄話をしている内に男は死んでしまった
世界は肉で出来ていた。
別に驚くことではないだろう。
スマートフォンもマッキントッシュも存在する、ただそれらが自身に必要な栄養を外部から摂取し排泄するにすぎない。
勿論摂取するのも排出するのも肉だ。世界は一つの肉体でそれぞれ部位の名前が違うだけ。気に食わなければブラウザバックすればいい。いや、少しすればこの設定もシコティッシュのように捨てられ忘れられる。
ここには疎外されるものはいない。なんて素晴らしい世界だろうか!建前の上では。実際は一つのオートポイエーシス情報システムは独立していても生理機能上で他の細胞に自殺を強いる。しかし、ここでは全てが一つの生として繋がっていて全体が生きてる限り死ぬことはない。部分の死は壊死のようなものだ。
分解され修復される。一連の働きが全くもって理性的に行われる。名の付いた肉体が欲すればそれは直ちに行われる。
利己的野性的欲求をシステムの内に有することによって克服したのだ。
その肉体は細胞に至るまで祝福される。まさに三位一体の実践である
…
血が膝下まで貯まっていた。
凝固すると厄介だ。仕方なくディスクを微分し平面にした。
その裏側に並行世界の観念が日に焼けた紙の黄ばみのようにびっしりこびりついていた。そこに幾らかの血がどっと流れ込んできた。