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日常④
学校までの道筋で商店街を通る。
角のコンビニに立ち寄り、おにぎりをふたつ手に取った。
「まーた今日もツナマヨだ、しかも2個!」
声を掛けてきたのはメグだった。
小学校からの幼馴染で、近所に住む同い年の女の子。中学も高校も同じだ。
「いーだろ、別に」
「野菜を取りなさい」
そう言ってメグも同様にツナマヨのおにぎりをひとつ手に取る。
「おいマネすんな。 あと野菜も取りなさい」
「あたしは今朝トマト1個食べました。 おっきいやつ」
「朝メシかよそれ」
「そーだよ! 美味しかったー」
「あぁそーすか」
クスッと笑いながら、メグがレジカウンターに向かう。
横切るメグからシャンプーの匂いがした。
俺はこの香りが好きだったが、
我ながらキモいので本人には言わないことにしている。
会計を済ませて店を出ると、メグがスマホを見ていた。
「じゃーな、遅刻するぞ」
「ちょっと。 お待たせっ! じゃないの?」
「あそ、すませんしたー」
待ち合わせていたわけではなかったが、
向かう先は同じなのでそのままメグと歩きだした。
修正:230823A