日常③
通学には徒歩でおよそ30分かけて登校している。
最近はこの時間を利用して、見ていた夢を思い返すのが日課となっていた。
毎日のように鮮明な夢ばかり見るのははたして年頃のせいなのか、
それともゲームのやりすぎか……。 おそらくは……うん、ゲームだな。
母さんも俺を身籠っている時、ひまつぶしでよくゲームをしていたらしく。
家にはもともとゲーム機が備わっており、昔からそのおさがりで遊ぶことが日常だった。
だからこれは遺伝なのだ。 遊びすぎてしまうのは仕方ないのである。
夢の中でもゲームの広大な世界で俺はモンスターを相手に戦っていた。
基本的に俺の夢はそんなのばかりで影響されまくりだ。
今朝見た夢も、まるでリアルに目の前にしていたのかのようだった。
お相手のモンスターの様子は狂暴で、目玉はギョロリと赤く、
その全身の見た目はドス黒く濃い影が起き上がり自立して浮き上がっているかのようだった。
形状は馬鹿でかい熊で、威嚇するかのように毛は逆立ち、
興奮した様子を見せながら沸騰したかのように全身から湯気を上らせる。
夢なのに確かに奴の怒りの温度みたいなものが伝わってきて、
圧のような熱風を感じた。
恐い、と思うことだろう。
なんせ思い出している今が恐いのだから。
それなのに夢の中の俺に恐怖はなかった。
この時は倒さなきゃという思いを強く感じていた。
対峙したままタイミングを伺い、
そのモンスターに飛び込んでいくところで目を覚ました。