アラン、家を建てる
アランくん、家を建てる。しかしその裏には…?
アランは元々王都から一枠限りの助手として激闘を制してやってきた人間である。シアンの性格を熟知していた上層部はそんなに長い間滞在しないだろう、という考えで近場の宿に住むようにアランに指示を出していた。
しかしそんな上層部の予想を裏切って彼はシアンに気に入られ(そんな事を言うと本人は否定するだろうが)彼の留守の間店を任されるほどになってしまったのだ。
そこで問題になったのが滞在費、いわば金である。
給金としてギルドからそこそこ貰っていたり冒険者として稼いでいたアランが特に使う用途と言えば食費くらいなものだったので、それなりの額が貯まっていたのである。
「これを元手に家借りればよくね?」
彼がそう考えるのはある意味当然だった。思い立ったら吉日とばかりにアランはジョーに相談した。ちなみに彼の中で王都に帰るかもしれないという考えはこの時点ではなかったし将来的に帰るつもりもなかった。
そうして彼の住まい探しは始まった。とりあえずはギルドの近く、と探し始めたはいいがそもそもギルドがあるのは都市の中心部でありその辺りは人気であり空いている部屋がなかった。
「ルームシェアするか?部屋空いてるぞ?」
そう言ってくれたのはリックだったが彼には贔屓目なしに可愛らしい妹がいる。流石にアランは断った、彼も年頃の男なのだ。妹さんだって嫌だろう…
次に探し始めたのは少し離れたマーケット街の近く。ほぼ毎日ここで食事を取ったりしているのであまり遠くなると困る。
「やっぱり駄目か…」
しかしこの辺りは家族向きの大きめの家だったり集合家屋だったり…独り身の人間が借りられるような家があまりなかったのだ。あったとしても空いていなかったり…
ここに来てそもそも今この都市に借りる事が出来る物件など存在しているのだろうか…とアランは考えながら今日も薬を調合している。
最近風邪が流行っているせいか咳止めや解熱剤が人気だ。後は飴だったりハーブティーだったり、シアンの趣味のおかげで何故かここにはそういう菓子や茶葉も彼の気分次第ではあるが陳列している事がある。
「お前部屋探してるんだってな。見つかったか?」
今日はハーブティーを売るつもりなのだろう、茶葉を一つ一つ丁寧に袋詰めしながらシアンが尋ねてきた。
深い溜息をつきながら首を横に振ると、あー…と言いながら彼は頭を搔く。
「ここ数年移住者増えているからか郊外の方に新しく住宅街作っているって話が出ていた気がするが…」
「そっちの方は新しく作るせいか料金が割高なのと今すぐ入れる訳ではないので…」
詰め終わったそれをカウンター脇に並べ終わったシアンが中に戻ってくる。
それをいつもの様に焼き菓子を頬張りながら眺めていたアーシャがぽつりと呟いた。
「ないなら作れば良くない?」
「「……あ。」」
そうして今度は家を建てる土地を探し始めた。そしてそれはすぐに解決した。
ギルドがある地域からあまり離れていない所にシアンが管理をあまりしていないせいで荒れ果てている土地を所有していたのだ。そこに家を建て、ついでに管理をするということに決まった。
なんだかんだで面倒見はいいんだよな、とトントン拍子に決まっていく様子を見ていたアーシャは内心考えていた。言うと殴られるか術が飛んでくるので絶対に言わないが。
「後は材料と…どうやって建てるかか」
「それくらいなら手伝うよ」
そう呟いたアランの肩をアーシャが叩くと、二人してびっくりした顔をして彼の方を見つめた。どう見ても肉体労働向きの身体ではないし何よりそんなことを進んでするタイプにも見えない。実際そうではない事をシアンはよく知っている。
「あぁ、もちろんタダではないよ。ちょっと材料の調達と僕にオヤツを提供してくれたら労働力を貸し出すよ」
そう言いながら紙にサラサラとその材料とやらを書き込んでいく。それを見たシアンはなるほどな…と呟いて倉庫の方へと消えていった。
「土30kgに魔鉱石に石灰…それに聖水にレンガ?これ何の材料ですか?」
材料だけを見ると家の材料に見えないこともないが…それにしては魔鉱石?と首を傾げているとその魔鉱石を抱えてシアンが戻ってきた。
「これくらいで足りるか?」
「わ、そんな良質なヤツ使っていいの?」
そう二人が話している。残りの材料を取ってくると言い再び倉庫に入っていく。アランはそれを見送りながら魔鉱石を撫でているアーシャに尋ねる。
「あのー…話が全く見えないんですが…」
「あぁ、ゴーレムを作ろうかと思って」
いい労働力でしょ?と微笑みながら言う。そんな彼を見てポンっと人形を作る感覚でゴーレムを作るなんて言わないでほしい…と遠い目をしていると台車に材料を積んだシアンが顔を出す。
「向こうに運んでくるから店番頼む」
「あ、はい。分かりました」
そう返事すると、一つ頷いてそのまま台車を押してギルドを後にする。その後ろをアーシャが付いて行きながら後ろを振り返る。
「後で美味しいオヤツ準備しておいて。あ、ちなみにゴーレム貸し出す日数分用意してね?」
それを聞いてアランが毎日食べてるのに飽きないのか…と呟くのは仕方ない事だった。
その後場所の確認からどんな家を建てるか、材料はどうするのかといった細かい話し合いを重ね、準備が整った二週間後。彼らは建設予定地に立っていた。
土地の中央にドンッと置かれた材料、それをぐるりと囲むように描かれた魔法陣の前に三人は立っていた。
じゃあやるよーと軽く言いながら陣の中央に置かれた材料の山にアーシャが向かう。そしていつの間にか手に持っていた杖を翳すと仄かに光を放ちながら蠢き始める。
「アーシャさんって術師だったんですね」
「いや、本職は戦士だ。まぁ術の適正も高いし実力はあるんだが…如何せんあの性格でな」
その一言で納得したアラン。つまり面倒臭がりの彼は様々な用途をこなすゴーレムを使って生活していると言う事だろう。
そんな話をしている内にどんどんゴーレムが組み上がっていく。雑に積み上げられていた材料がひとりでに動き一つの塊になり、そこから頭が生え、手が生え足が生え…あっという間に3メートル近い大きな土の人形がそこに出来上がった。
【マスター、オハヨウゴザイマス。ゴメイレイヲ】
「すご、喋った」
こちらに深々とお辞儀をしながら待機しているゴーレムに近付きその頭を撫でながらうんうんと何度も頷いている、彼からしても渾身の出来だったのだろう。
「かなり良質な魔鉱石だったし良い出来だね。あれ高かったんじゃない?」
「その他の材料費も纏めてアランに請求するから問題ない」
あ、請求されるんですね…いくら位かな…と使われた魔鉱石の大きさを思い出しながら貯蓄された金額と材料費を計算していく。維持費はともかく初期費用があまりかかってないとはいえ少しばかり不安だ。
「あぁそうだ命令しなきゃね。この線が引かれている範囲の整地と家の建設をお願いしたいんだ。これ設計図ね」
【カシコマリマシタ、マスター】
数枚の紙をゴーレムに手渡すと、それを見ずにクシャクシャに丸めて飲み込んでしまった。ビックリして声を荒らげてしまったアランを尻目にその身体が淡く光を放ったかと思うとテキパキとゴーレムが動き始めた。
「俺頑張って書いたのに…!あれ、いいんすか…!?」
「言ってなかった?あれは魔力を編み込んで作られた特殊な紙だからね、あれに書かれた事を彼らは忠実に実行してくれるよ」
さっき一緒に持ってきたクッキーを頬張りながら教えてくれたがイマイチ締まらない。問題なく動いてるゴーレムを見てシアンが帰るぞーと声をかけてきた。
「分かりました!あ、これ予備の魔鉱石。ここに置いておくから必要になったら使ってね」
家の材料の上に魔鉱石を置いてからゴーレムに向かって呼びかけると何度か頷く動作をしてくれた。
こういう動作をすると可愛いな…と思いながらその場を離れる。一日一回ここに来て魔鉱石の補充と作業の確認があるけれど大丈夫だろうか…一応夜になる活動を停止するようになっているから騒音問題は大丈夫なんだろうけど…
「侵入者対策はちゃんとしてあるから安心してね?」
そう言いながらニコニコしていたアーシャを見て一抹の不安を覚えたが、次の日建設予定地に行くと精力的に動くゴーレムの傍らに泥棒目的で侵入したであろう不届き者が何人か縄で吊るされているのを見てアランはため息をついた。
「こうなるとは思っていたけど予想通り過ぎて笑っちゃうね」
棒状に伸ばして揚げられた焼き菓子のようなものを食べながらケラケラと笑うアーシャを尻目に、乾いた笑いを浮かべながら空になった箱に魔鉱石を補充する。なるほど、夜は活動しないのに何で補充用の魔鉱石がいるのかと思ったらこういう事か…
とりあえず侵入者を降ろして二、三発殴ってから警備兵に引き渡す。
「こうなると思ってはいたけど…ってやりすぎでしょ」
侵入者を倒して捕縛してくれたのであろう作業中のゴーレムを一撫でして褒めてあげると喜んでくれたのか、唸り声のようなものをあげると作業に戻って行った。
土地を一瞥すると整地は終わっており、家の土台部分を組み立てている最中のようだ。確認してみると設計図通りに組み立てられており、あの紙すごかったんだな…とアランは感心していた。
「これなら一週間くらいで建てられそうだね。さすが僕のゴーレム」
うんうん頷きながらじゃあ僕は食堂に行ってくるよ、とアーシャがヒラヒラと手を振りながら去っていく。街の中にある食べ物関連の店は行き尽くす勢いで通っている彼だが、細身の身体の何処に入っているんだというほどよく食べる。
「さて、俺は近場の所に魔鉱石採取して戻ってくるね。大変だろうけどよろしくね」
【オキヲツケテ、アランサン】
ゴーレムに手を振りながら言葉をかけると、同じように手を振りながら挨拶を返してくれた。そんな姿にちょっとトキメキながらアランはその場を後にしたのだった。
ゴーレム用の魔鉱石とついでに薬草を採取してこい、とシアンに渡されたリストを確認しながらオルフの洞窟を探索していた。
魔鉱石は魔物の体内で精製されたり、魔力が溜まっている箇所で採れる言わば魔力の結晶である。魔物の強さや蓄積された魔力の量で価値が変わり、魔力を持たない人間がアイテムに込められた術を使用したり魔力を込めて使う機械の動力源になったりするのだ。
「ついでに何か狩って今日の夕飯にしようかな…」
この辺りの魔物は毒性もなく特別な処理をせずとも食べられるから気軽に狩る事が出来るのでアランもたまに運動がてら狩って食べたりしている。
丁度タイミングよく目の前に飛び込んできたボアと呼ばれる魔物に勢いよくナイフを投げつける。
寸分の狂いなく眉間に突き刺さったそれを足で蹴り付けて更に奥へとめり込ませていく。耳障りな悲鳴をあげてボアがその場に倒れ伏した。
念の為に心臓の所にももう一本のナイフを突き立ててトドメを刺す。しばらくビクビクと痙攣していたが、完全に動かなくなったのを確認してナイフを抜き、そのまま解体を始めた。
「お、こいつ魔鉱石出来てるじゃん…ラッキー」
心臓付近に出来ていた魔鉱石を取り出し、血を丁寧に拭って状態を確認する。
ランタンの光を受けてキラキラと輝くそれは傷一つ付いておらず、そこそこのサイズだ。
その後もテキパキと肉の血抜きをしたり部位分けをして袋詰めをしていると、すぐそこを通りがかった冒険者のグループがあ、アランさんがここにいるの珍しいですねーと言いながら近付いてくる。
「あー君達か。今から帰り?」
「はい!アランさんは何を?」
「魔鉱石と薬草の採取。コイツは運悪く俺に突っ込んで来た為俺の腹に収まる事になったボア」
いるか?と言いながら保存紙に包まれたそれを彼らに差し出すと、いいんですか!?と喜ぶ。
それなら、と差し出されたのはそこそこの量の魔鉱石とお目当ての薬草。これと交換してくれませんか?と言う彼らにOKを出すと追加で肉を出して袋に入れて渡す。
「ありがとう、奥まで行く手間が省けたよ」
「いえ、こちらこそ!しばらく肉に困りません!」
そうして立ち去った彼らを見送ると、解体されたボアを土に埋めて手を合わせる。こうしておかないと生まれ変わってまた自分達の前に現れてくれないんだよ、とは祖父の弁である。
「さて、もう少し探索したら戻るか」
採取を終えて戻ると、ゴーレムが出迎えてくれた。可愛い、名前をつけてもいいのだろうか等と考えながら魔鉱石を渡すと受け取ってそのままバリボリと口に含み体内に取り込んでいる。そうやって取り込むのね…と思いながら作業を確認するともう骨組みが出来ていた。
いくら疲れ知らずで働き続けることが出来るゴーレムとはいえ速すぎやしないか、と視線を動かすと何故か朝吊るされていた侵入者達が黙々と作業していた。
「え、なんで…」
その後ろでニコニコしながら頑張れーと言いながらサンドイッチを頬張っているアーシャを見てアランはため息をついた。おそらく無罪放免にする代わりにタダ働きをさせているのだろう。
「あ、おかえりー。どうだった?」
「まぁ上々ですけど…あれなんですか?」
ひょっとしたら違うかもしれない…そんな淡い期待をしながら聞くと彼はさも当然と言った様子で。
「ん?朝の侵入者だけど?無罪にする代わりに一日働いてもらってるんだよ。」
こうやって周知させれば次から盗みに入らないでしょ?と言いながら紅茶を啜っている。
あまり期待をしていなかったが予想していた通りの答えをもらったアランはさらに深い溜息をつきながら荷物を降ろす。
「…今から店に戻って薬草を置いて来ます。これ今日の夕飯のボア肉です」
わー今日はお肉だーと無邪気に笑うアーシャを見て働かされている彼らを見る。
おそらく飲まず食わずという訳ではないだろうが一応声をかけておく。
「…お前らの分くらいはあるはずだから」
それを聞いた彼らが歓声をあげた、それを見たアランは飴と鞭だと思うことにする。
薬草をシアンに渡すと今日はもう帰っていいぞと言われそのままとんぼ返りすると、すでに肉が捌かれ、何故か鉄板と薪が用意されていた。
これを用意させられたであろう侵入者達に内心で同情する。まぁ彼らが盗みに入らなければこんな事にはならなかったのだから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
「来たね、じゃあ食べようか」
その後は匂いを嗅ぎ付けてやってきた馴染みの冒険者達とも一緒に肉を堪能した。おかげでボアの肉は一日でなくなってしまったがまぁまた狩ればよしとアランは自分に言い聞かせる事にした。保存食にしたかったのだが仕方なし。
そんなこんなで一週間が経ち、無事に家が完成した。途中何故か侵入者に懐かれていつの間にか舎弟になっていたり、ゴーレムを気に入ったアランがアーシャに直談判してゴーレムの命令権を買い取ったりしたが、概ね予定通りの完成である。
石造りの壁で出来たその家は二階建てでこじんまりとしていて、外には庭もあり季節に応じて色々な薬草が育てられるようになっている。
中を確認して問題なさそうだと運んだばかりのソファで寛ぎながらアーシャと二人でお茶を飲みながら話をしている。
「アーシャさんのおかげで助かりました、ありがとうございます」
「そんなのはいいんだけど…本当にいいの?ゴーレム結構維持費かかるよ?一応邪魔にならないようにと消費エネルギー削減の為に小さくはしたけど…」
そう言いながらアーシャはアランの隣に座る小さくなったゴーレムを見つめる。事の発端はアランがこれが終わった後ゴーレムはどうなるのかとアーシャに尋ねた事だった。
そのまま自然に返すと聞いた彼は、愛着が湧いてしまっていたのか引き取りたいと申し出たのだ。
「家作ってもらったからそのままはいおしまい、っていうのは違うと思うんです。名前ももう付けてしまいましたし…」
「まぁ僕からしたら数多に作られ内の一体に過ぎないけれど、君からしたらはじめてのゴーレムだしね」
フィオーラ、と名付けられたゴーレムはギュッとアランの服を握っている。それを見たアーシャは優しく微笑むとゴーレムの頭を撫でる。
「注意することは全部伝えたし、君なら大丈夫でしょ」
こうして念願の家を手に入れこの街での生活の基盤が整ったアランだったが、ここで一つの疑問が浮かんでいた。
「そういえば俺二階建てにした記憶はあってもこの部屋作った記憶ないんですけど…」
そう、自分が設計した時より部屋が増えているのだ。あの時はハイになって設計図を描いていたから忘れてたかなとも考えたがやっぱり多いのだ。
まぁ部屋が多くて困ることはないだろうがどうにも引っかかる。そういえば目の前にいるこの人はいつもどこで寝泊まりをしているのだろうか…
そんなアランの心配を他所にアーシャはいつもの様に微笑むととんでもない事を口にしたのだ。
「あぁ、その部屋は僕の部屋だよ?」
そんなとんでもない事を何とでもないといった風にのたまうアーシャの顔を見て、アランはこう思った。
(あぁ、この人そういう人だったわ…!)
そうでなければあんなにも簡単にゴーレムを召喚したり譲ってくれる訳がないと彼はそう考え付いた。という事はシアンもグルの可能性が高い。
「まぁ君の邪魔はしないからさ。昼間は街をブラブラして夜ここに寝る為に戻る感じにするし君の部屋にシアンが防音の術かけてくれてるよ」
それを聞いてグルだと確信する。なんという事だ、自分だけの城のつもりが何故こうなった…!とアランが嘆いていると隣にいたフィオーラがポンポンっと肩を叩いてくれる。
【マスター、ゲンキダシテ。コノヒトコウイウヒト…】
何の慰めにもなっていない慰めをしてくれたフィオーラをギュッっと抱きしめるとそのままよしよしと頭を撫でられる。なんて出来たゴーレムなんだろうか…!と感動していると。
「あぁそうだ。この家の建築にかかった費用の半分は僕が払うから安心してね。……これくらいで足りる?」
「どこのそんなお金が…」
あるんですか、続けようとしたアランの目の前にドサッと大きな音を立てて皮袋が置かれる。ギョッとして中身を確認すると中には宝石をはじめ金貨が詰まっていた。この量だとこの家を10軒建ててもその後老後まで悠々自適に暮らせる額が入っているに違いなかった。
驚きのあまり口が開いたままアーシャの方を見ると彼も不思議そうな顔をしてこちらを見つめている。
「足りなかったらまだあるから言ってね?」
「あっ、はい…シアンさんに相談します…」
この人の金銭感覚おかしいだろ!の言葉を必死に飲み込みそのまま皮袋を大事に握りしめ猛然と店までダッシュする。
「これどうしましょう…」
「……とりあえずこれだけもらってあとは返してこい」
そう言い数個の宝石と金貨一枚を袋から取り出し二人は深いため息をつく。
そんなこんなで無事(?)、アランの家は完成したのであった。