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窓といふ額縁のなかで

窓の外はギトギトに淀み、歪んでいた。


静寂の静寂をゆく、静けさを伴って。


たまに滑るように鳴る、タイヤの擦れる音が、鼓膜に流れゆく。


黄緑掛かった草も、濃い緑でスマートに佇む木々も、揺れぬままに。


水色の上に、薄く灰色を伸ばしたような空が、両目にふんわりと吸い付く。


正面には一本の太い電柱。


そこから、張り巡らされている電線が、空に綺麗なボーダー模様を刻む。


五つの五線譜を空に、ずらりと並べたような黒の存在感に、心があちこちを向く。


チュンチュンと、さえずりのボリュームを急に上げる小鳥たち。


かと思うと、急に微かなさえずりに切り替わる。


豆電球だけがついた部屋のような、淀んだ空の下に、赤い光を携えたトラックが頻繁に横切る。


騒音予備軍のトラックの地響きと、そのライトの僅かな明るさが、心臓を揺さぶる。


朝4時の部屋の窓に現れる絵画には、心の奥のような風景が、鮮明に描かれていた。

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