表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

under 500

窓といふ額縁のなかで

窓の外はギトギトに淀み、歪んでいた。


静寂の静寂をゆく、静けさを伴って。


たまに滑るように鳴る、タイヤの擦れる音が、鼓膜に流れゆく。


黄緑掛かった草も、濃い緑でスマートに佇む木々も、揺れぬままに。


水色の上に、薄く灰色を伸ばしたような空が、両目にふんわりと吸い付く。


正面には一本の太い電柱。


そこから、張り巡らされている電線が、空に綺麗なボーダー模様を刻む。


五つの五線譜を空に、ずらりと並べたような黒の存在感に、心があちこちを向く。


チュンチュンと、さえずりのボリュームを急に上げる小鳥たち。


かと思うと、急に微かなさえずりに切り替わる。


豆電球だけがついた部屋のような、淀んだ空の下に、赤い光を携えたトラックが頻繁に横切る。


騒音予備軍のトラックの地響きと、そのライトの僅かな明るさが、心臓を揺さぶる。


朝4時の部屋の窓に現れる絵画には、心の奥のような風景が、鮮明に描かれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ