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Motion Blue
聞き慣れたアラームが鳴る前に
目を覚まし腕を伸ばす
くしゃくしゃになった毛布に潜る
「あと少し」が口癖になって
目をつぶる毎日
だけど 今日は違うみたいだ
寝ぼけ顔の街に響くエンジン音
街灯も睨みつけて眠る
一つずつ消えていく星座
形も知らずになぞる
指先に着いた滴を
ズボンの裾で拭いて覗く
見えない光は今もどこかで輝いているのかと
思い馳せてしまうような夜明け
寝癖を櫛で梳かして
見つめる鏡
3割増しで開いた両目
早起きは三文の徳と聞いていたけれど
実感は特になくて
レンジの中で回るパンのように
同じ生活は巡る
積み上げて崩れ落ちそうな
漫画の包装を破る
物語の始まりなんて
ビニールが浮かぶようなきっかけさ
ページをめくる指は誰でもない自分なんだってこと
思い馳せてしまうような夜明け
一つずつ消えていく星座
形も知らずになぞる
指先に着いた滴を
ズボンの裾で拭いて覗く
見えない光は今もどこかで輝いているのかと
思い馳せてしまうような夜明け