神様(?)の日常 猫耳ニーソノ『死神』、尚体ハオッサンノ模様
前回のあらすじっ!
猫耳メイドコスのおっさん、爆誕っ!
以上っ!
痛車が中華風の街並みを駆けていく姿は非常にしゅーるとしか言いようが無い。
時代と物が合って無いね、ここでもみすまっちだね。
時折ぱんだとか人が見えるけれど…うん、思いっきり注目してるね。
目立つよなあ、痛車…。
途中で乗り捨てるしか無いね。目立つの良くない。
爆音を鳴らしながら痛車は中華風の街並みを駆けぬける。
その行為は、吉と出るか凶と出るか。
☆☆☆
猫耳メイドコスの『死神』が痛車に乗って爆走していた頃。
『格闘者』のミヤシロウと『賢者』のキョウが対峙していた。
「自己紹介の時から気に入らなかったんすよ、アンタ。ぶちのめしてやるっす!」
「…ふん」
ミヤシロウの装備は縛りの通り籠手しかつけていない。
防具も、それ以外の武器も無い…丸裸と言っても過言では無かった。
反対にキョウは魔法使い風の装備に身を包んでいた。
魔法の杖に、魔法使いの帽子、それからローブ。
物理武器は全て投げ捨てて魔法一辺倒の装備だった。
「いくっすよ!」
「…来い」
ミヤシロウの拳が風をきる。
それを間一髪で避けたキョウがあらかじめ唱えておいた魔法を発動する。
「水霊!」
途端、青色の光が線…魔方陣を描き、水の塊が生成される。
このゲームでは魔法の発動者に自身の魔法のダメージが入る事は無い。
故に。
「ぐぁっ!?」
至近距離で放たれた魔法はミヤシロウを吹き飛ばした。
ダメージエフェクトが流星の様に跡を残して、そして消えていく。
土煙がもうもうと上がる。
キョウはそれを満足そうに眺めた後、それに対して背を向け、去ろうとした。
しかし、その足は止まる。
ミヤシロウを吹き飛ばした竹林とは逆方向の竹林に人影が見えたからだ。
「む…」
飛んで来たそれはきらりと光を反射する。
頭を少しずらす事でそれを回避したキョウはお返しとばかりに魔法を放つ。
「我が願うは二の力、土の精。
敵の元へ土塊を届けよ。
我が願いをもってここに力を示せ!
土鬼!」
現実で言うには恥ずかしいセリフもこのゲーム内では言わなければならない。
そうしないと発動しないのだから。
魔法を使う時はマイクの感度も重要になる。
マイクに音声を認識されないと発動しない。
そんな訳で、割と不人気な魔法だが…実は物理で殴るよりも強い力が出る。
それを知っている、かつ鋼のメンタルを持つ者又は現役厨二病患者は魔法を好む傾向にある。
キョウは前者だった。
現役厨二病患者では無い。断じて無い。
それは兎も角、詠唱を終えた事で発現した土魔法は襲撃者に向かって攻撃する。
ドゴォッ!
竹がバキバキに折れ、地面にクレーターが出来た。
その被害の大きさは魔法の強大さを物語っていた。
しかし。
ダメージエフェクトが出ない。
「くっ!バレたでござるか!」
「お前は…『忍者』か」
光を反射する程鋭いクナイを飛ばした人物は、『忍者』のサカキだった。
☆☆☆
『…こんなもんかだぜ?』
家探しを終えた『勇者』ことアンドレアス・H・バグショットは自身のプレイヤーキャラを見つめる。
神々しい全身鎧に大きな両手剣。
それは見るからに勇ましく、二つ名の通り『勇者』の様だった。
彼が飛ばされた地は比較的安全圏に近く、まだ時間に余裕があった。
『もう一ヶ所位探すかだぜ?』
そんなことを呟く『勇者』を見つめる存在が一つ。
その存在の名は…。
「おうおうおう、勇者サマよぅ…!」
『君は…ジャパニーズ不良の『狂犬』、ヘージかだぜ?』
「おお…勇者サマに覚えておいて貰えるたぁ…嬉しいねぇ…!」
嬉しそうなヘージの(キャラの)手には牙の様な意匠が施された短剣が握られていた。
プレイヤーキャラ自体は犬の着ぐるみというネタ装備だった。
不良口調のファンシーわんこ…またもやミスマッチである。
「それは兎も角…ここで会ったらやる事ぁ決まってるよなぁ…?」
『分かったんだぜ。なら、いざ、尋常に…』
『「勝負!!」』
普通なら明らかに強者である『勇者』を避ける所であろう。
勝て無いからだ。
それなのに、ヘージという男は果敢にも『勇者』に挑む。
彼は常に自分よりも強い者のみを求め、身の丈に合わない挑戦をする。
犬の様にしぶとく、犬の様に獰猛に。
故に。
彼は命を投げ打つのすら惜しく無い、狂った犬…。
即ち『狂犬』と呼ばれるのだ。
現在生存9名、生死不明1名、死亡0名
スシの香り…Gルート…うっ、頭が…




