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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
7月
79/308

神様(?)の日常 人ノ文化トイフ物ハ実ニ興味深イ



ちょっと前…ボクが幸神 万と橋の上でらんでぶーする前日位の話をしようか。


その日、ボクは雇い主に頼まれて幸神 万を探しに来たんだ。

殺すためにね。


でも、この街は広い。

この地域にいるのは分かってはいたんだけれど、具体的にどこにいるのかまでは分からなかったんだ。


そこに地図一枚だけ持ってやって来たのさ。


最近は…すまほ?だっけ?そういう小さいのに便利な物があるみたいだけれど、生憎とボクはそんな便利な物は持って無い。


そういうのには地図機能っていうのが付いているんだって。

他にも離れた場所にいる人同士が話をしたり、何か買えたり…。

色々な事が出来るんだ。

便利だね。まるで夢の様な機械だ。


でも、さっきも言った様にボクは地図一枚だけしか持って無い。

不慣れな土地、目を引く看板…。

気ままに進むにつれボクはすっかり道に迷ってしまった。


「参ったなあ…どーしよ」


地図をくるくる回してみても自分が今どこにいるのか分かる訳じゃあ無い。

ただただ時が過ぎ行くばかり。


幸神 万は学生だからこの街の学校を巡っていればその内出会えると思ったんだ。

でも辺りはすっかり夕暮れ。

寂しげな音楽が街中に鳴り響き、帰る事を促す。


でもボクには帰る家なんて無いし、そもそも幸神 万を見つけなければ話にならない。

ボクは途方にくれた。


学校には完全下校時刻というものが存在するらしい。

その時間を超えて学校に残ることは許されないんだそうだ。


それを超えたら幸神 万も家に帰ってしまうだろう。

流石に家の中に入られると探すのはキツイなあ。


ちなみに雇い主情報である。

雇い主はボク達みたいなお化けが知らない現世の話を沢山知っているんだよね。

時々行ってるのかな?仕事サボって。


うーん。仕事をサボられるのは困るなあ。

そのしわ寄せが来るのはボクみたいな補佐係なんだよ。


うん?補佐係なのになんで今下っ端みたいな事をしているのかだって?

死にたいのかな?


まあそれは冗談として。

人間とまともにこみゅにけーしょんを取ろうとするお化けは補佐係の中でボクだけなんだよね。


他は大体見下しているか眼中に無いか。

ボクもあんまり人に興味は無いなあ。

作り出した文化には興味あるけど。


あ、補佐係の中にも例外はいるよ。

見下している訳でも眼中に無い訳でも無い奴が。


お化けは強さこそが全ての脳筋種族だから『オデ、ヒト、クウ!』とか言っている様な奴でも強ければ補佐係になれるんだ。

今回はあんまりこういうのには任せられ無い任務だね。

食べちゃうから。


…でも精々捕縛係だね。あーゆうのの仕事は。

昔はそれでも良かったけれど今の時代、ですくわーくも出来なきゃいけないね。


職場の改善も雇い主の仕事だね。

今頃ボクが抜けた分キリキリ働いているのかね?


ん?人間を食べるのかって?

食べるよ。むしろ大体のお化けの好物だよ。


でも、ボクはあんまり好きじゃ無いなあ。

まずいとは言わないけれどさ。


あ、あと鬼だからといって豆が嫌いとか鰯が嫌いとかは無いからね。食べた事は無いけれど。

誰だってぴしぴし豆を当てられたら鬱陶しく感じるだろうし、鰯の頭が玄関に飾ってあったらビビらない?


「しょーがない。罠でも仕掛けてみるかな?」


目の前の建物にはチラシが貼ってある。

ちーずの特売についてのお知らせだった。


幸神 万はちーずが好きなんだって。

運良く明日すーぱーとやらでちーずの特売をするらしいからそのすーぱーとやらの周辺に罠を重点的に仕掛けよう。

多分買いに来ると思うから。


この罠は物に設置出来て対象が触ると罠を仕掛けた人を呼び出す仕組みなんだ。


これを近くにあった橋…天神橋に試しに設置してみる。

うん、こんな感じか。


……?

何だろう?この橋見てると胸がざわざわするというか、むかむかするというか…。

とにかく胸が変になる。


何か思い出しそうで…でも思い出せない。

そんなもやもや感だ。


「…さて、今いる場所は分かったし、学校の位置だけでも把握しておこうかな」


ぷいと橋から視線を逸らす。

まだ夜は、長い。

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