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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
7月
77/308

こころ&楽雪「バルス!」



「所で…そこの白髪の方の髪、素敵ですねェ。本当に本当に…欲しくなってしまいますゥ」

「え?」


ジャッ


何かを切る音が響く。

はらり、と白髪が舞った。


「何、が…」


真照が恐る恐る背中に手を伸ばす。

しかし、そこにあった筈のポニーテールに触る事は出来ない。

真照の腰位まであったポニーテールは、肩位の長さにまで短くなっていた。


「きゃぁあああっ!?あ、あたしの髪がっ!?」


真照が驚いて叫び声を上げる。

しかも涙目になっていた。


「どういう事よ!知らないって…嘘だっだの!?」


真照が怒りのあまり声を荒げる。

涙が今にもこぼれ落ちそうだ。


風紀委員長の丸眼鏡がキラリと光る。

手には真照の髪と机の上に置いてあったハサミが握られている。


「ええ、知りませんよォ、この体の持ち主はァ」


この体の持ち主…!?


「じゃあ、お前は一体何者だよ!」


お化けか!?

なら一体何のお化けだ!?


「申し遅れましたァ。私、髪切りの天牛(てんぎゅう)と申す者ォ。以後お見知り置きをォ」


態とらしく一礼する天牛。

髪切り…?


「真照、髪切りって何だ?」


聞いた事の無いお化けだな。


「髪切りっていうのは髪を切るお化けよ。髪が主食なのよ…」

「え!?髪って食べられるの!?」


楽雪は思い立ったら即実行とばかりに自分の髪をムシャリと食べ始めた。

最近食欲が凄すぎておおよそ食べ物とは思えない様な物にまで手を出し始めている。

悪食だな…。


「ちょ、おま…」

「おええ…不味い…」


ぺっ、と髪を吐き出した。

流石に髪はな…。


「髪を食べるのなんてェ、私位ですよォ。食い意地張り過ぎですよォ鬼さん?」

「おや、ボクの正体を看破したね。下級妖怪にバレるとは…。それなりに上手く化けられているつもりなんだけれどなあ」


お化けにも格とかあるんだな。

天牛は手をひらひらさせながら答える。


「そんなに強い妖力が溢れ出ていたら誰だってわかりますよォ」

「あはゝゝゝ、それは盲点だった。次から気をつけるとしよう」


妖力…。人間には全然分からないな…。

楽雪(人間モード)だって俺の目にはちょっと変わった人間にしか映らない。


「んん〜。やっぱり人間の髪は美味しそうですねェ。良い香りがプンプンしますゥ」

「うっ…」


天牛は切り取った真照の髪をペロリと舐める。

それを見た真照は顔を青くした。

うん、引くよな。


しかも恍惚とした顔で舐めているのだ。

中身が妖怪だとしても外見は風紀委員長だから、エロい。

たわわなメロンが揺れる。


…見る人が見たら百合に見えるかもしれない。


「ううう〜っ!!」


あ、真照がとうとう泣き出した。

ぽろぽろと溢れた涙が恥ずかしさのあまり赤く染まった頰の横を通り抜けて行く。


「この!真照ちゃんになんて事を!羨ましいじゃないか!!」

「えぇ〜…」


夜神が短刀で天牛を攻撃するが、ハサミで受け止められてしまう。

羨ましいって、お前…。

真照も引いてるぞ。


「バルス。」

「なァッ!?目がァ!目がァッ!!」


夜神が攻撃したのを防いだその瞬間、こころが天牛の目を叩いた。…巻物で。

あれ?巻物ってそんな使い方だったっけ?

メロンがバインと揺れる。


そして、機関銃の音と弾幕の様な弾が辺りを満たした。


「「わたし(ボク)の目の前でそんな大きなモノを揺らすんじゃない。(!)」」


し、嫉妬だ!女の嫉妬だ!怖い!


「ぬぉおおおォッ!!」


天牛が痛さのあまりごろごろとのたうちまわる。

それをこころが巻物でぐるぐる巻きにして捕らえる。

あれ?巻物ってそんな使い方だったっけ?(2回目)


そのまま天牛は会長の所に運ばれた。


☆☆☆


「ふむ、無事依頼は達成出来た様であるな。ご苦労である。…なんで聞き込みに行っただけなのに捕縛して来るのであるか?」

「現行犯です」

「…そうであるか。まさかこんな事をする様な奴であったとは…ガッカリである」


…あ。

俺達にはお化けって分かっているけれどよく考えたら普通の人には分からない。

髪切り犯が風紀委員長になってしまう。


どうやって伝えようか…。

そもそもお化けの存在を信じて貰えるか?


俺がもんもんと悩んでいると造神先輩が助け船を出してくれた。


「幸神、会長も神力持ちやで。ワイ達と同じや」

「そうなのか!?」


それなら髪切りの存在を信じて貰えるだろう。

お化けが見えるのだから。


「会長、風紀委員長には髪切りというお化けが取り憑いています。そのお化けが原因です」

「ふむ?そうであったか。それならそうと早く言うのである」


良かった。風紀委員長の無実を分かって貰えた。


「ふむ…だったら簡単には書類に書けないのである。これに関してはこちらで対処するのである。…これにて神助部の成立を認めるのである!」


それは、新たな部活が生まれた瞬間だった。

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