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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
7月
71/308

楽雪先輩マジチート



トイレ良し、飯食べた、洗濯物干した。


今日はとあるFPSの配信日だ。

この日をどれだけ心待ちにした事か。


このゲームは対人のゲームだ。

一人対その他。

周りみんなが敵で、最後まで生き残ったプレイヤーが勝ちだ。


昨日の時点でゲームパッドは接続しておいた。

なるべく早く始める為に。

それ位ワクワクしていたんだ。


ああ、それなのに、それなのに…。


「ねえ幸神 万!これはなんて言うんだい?けっこー面白いよ!」


楽雪にパソコンを占領されていた。

しかも楽しそうに本日発売のFPSをやってやがる。


「ねえ、幸神 万。ねえねえねえ…ってあれ、君そんなに真っ白だったっけ?」

「誰のせいだよコンチクショウ…」


きっと今の俺は死にそうな顔をしているに違いない。


「あ…もしかしてこれ君のかい?」

「もしかしなくても俺のだよ!」


少なくともお前のでは無い。


「そっかー。ごめんごめん。これが終わったら代わるよ」

「はぁ…。分かった」


ゲームを途中で抜けるのもなんだろう。

俺は楽雪のゲーム画面を見る。


どうやら連続キルしているみたいだ。

しかし、そのキル数がヤバイ。


「…はぁ?」


と、声に出してしまう位には。


画面はぽこぽこと映し出す数字を変えていく。

54キル55キル56キル57キル58キル…

ちょ、どんだけ連続キルするんだよ!


メッセージ機能もある様で、コメントが画面に映し出される。


『おお、神よ…!』

『チートだ!そうに違いない!運営に報告してやるっ!』

『助けてくれ!助けてくれっ!』

『『死神』が出たぞっ!!逃げろっ!!!』


わたわたと楽雪(の操るキャラ)を見ただけで逃げ去ろうとするプレイヤー達。

そこに容赦無く弾丸をぶち込んでいく楽雪。

60キル61キル62キル63キル…

プレイヤーは数字となった。


オウ、お前…。ためらい無いな。

しかも二ツ名まで付いている。

『死神』か。言い得て妙だな。


楽雪が使っているのは機関銃だ。

弾が切れたら弾丸補填の為に多少動きが止まるから、キル数なんてそんなに連続しない筈なのに、弾丸補填の間ピストルで敵を撃っている。


さっきのコメントに『チート』とあったが、確かにチートと思われかねない普通じゃ考えられない動きだ。

こんなの出来るのはこいつ位だろう。


というかこんな事が出来るシステムになってるのか?

ははは、まさか…。


仮に出来たとしても難易度高く設定されているだろう。

それを易々とやる楽雪…。


的確に急所を狙うその腕は、の○太といい勝負なんじゃないだろうか。

多分こいつには銃の才能があるんだろうな。


ニコニコ笑いながら情け容赦無くキル数を稼ぐ美少女の図…。

やだ、怖い。


「お前そんなに凄い腕持ってるんなら大会に出てみないか?」

「大会?」


楽雪が後ろに振り返って俺を見る。

手をカチャカチャと動かしたまま。

75キル76キル77キル…


「まず地区予選があって、その次に県。更に地方大会に勝ったら国の大会に出られるんだ。賞金も出るらしいぞ」

「うーん。面白そうだから出てみようかな!」


100キル!ゲームクリア!


画面に浮かんだ祝福の文字は楽雪すらも嬉しく感じた様だ。

楽雪が嬉しさにぐっとゲームパッドを握りしめたその瞬間。


バキャアッ!!…シャリシャリシャリ…


「「……」」


ゲームパッドは粉微塵になった。

二人の間に漂う微妙な空気。


「弁償しろよ…」

「…はい」


結局俺がFPSをする事は叶わなかった。

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