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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
7月
69/308

暴力なんかに負けたりしない!



「ただいまー」


今日は楽雪の件でなんやかんやあって疲れた。

学校から帰って来た俺は玄関のドアを開ける。

今俺の家には親は居ない。出張中だ。

たまに帰って来るが、またすぐに遠くに行ってしまう。


だから、返事なんか無いはずだ。

それなのに。


「おかえりー」


返事が、あった。


「ヒュッ……」


恐怖に息をのむ。誰だ!?一体誰なんだ!?

泥棒!?いや、それなら返事なんて無いはずだ!


家を荒らされた形跡は無い。

むしろ物が増えている。


靴が1組とバックが1つ。


靴のサイズは小さい。ローファーの様だ。

どっかで見た事あるなぁ…。どこだったか。

てんでバラバラの所に転がっている。


そろりそろりと音を立て無い様に廊下を進む。

生温い風が頰を撫でた。


進んで行くと1つだけドアが半開きになっている所があった。

リビングだ。

カチャカチャと物音が聞こえる。


そっと中を覗き込む。

そこに居たのは…


「やあおかえり幸神 万!これ『お米』って言うのかい?すっごく美味しいよ!もっと作って欲しいな!」

「お前かよぉおおお!!!」


鬼娘の楽雪だった。人フォルムだから角は無いが。

ニコニコとした口の周りに米粒が沢山付いている。


炊飯器を直接抱えてしゃもじで食べている。

俺の夕食分の米…。


「何処から入って来たんだ!?」


俺は当然の疑問を口にする。

俺が入って来た時玄関のドアは閉まっていた。

なら侵入経路はそれ以外の所のはずだ。


「え?そこだよ」


楽雪は当然の様に一ヶ所を指で指す。

そこにあったのは、バラバラにガラスの割れた跡が残る窓だった。


窓ォオオオオオオオオッ!!!

窓は犠牲になったのだ。


防犯シートを貼っていたし、窓は二重構造だったのだが、見るも無残な状態になっていた。

直すのに幾らかかると思ってるんだ。

泣きたい。


廊下に生温い風が吹いたのは窓が開いていた…と言うか壊れていたからだな。

なんて事してくれやがる。

これじゃあクーラーを入れても部屋が冷えやしない。


そう言えばどこかで見た事のあるローファーって中央高校の学校指定の靴じゃないか!

通りで靴が1組増えている訳だ。こいつの靴じゃないか。

バックもこいつのだな。


「ねえねえ幸神 万。聞いているかい?ボクもっとお米が食べたいよ」

「お前に食わせる飯は無い」


ただでさえ大損害を出しているのにこれ以上損できるか。


こいつはこの前俺を殺そうとしたしな。

忘れたとは言わせないぞ…。


「とっとと出てけ」


この時点で不法侵入とか器物破損とか殺人未遂とか窃盗…と言うか無銭飲食?とか色々やらかして居るが目をつぶってやる。

だから出てってくれ。


しかしそれに対して楽雪は首を横に振る。


「それは無理だね」

「何でだよ」


楽雪は米粒が1つも無くなった炊飯器を名残惜しそうに見つめた。


「雇い主からの指示なんだ。『幸神 万を監視する様に』ってね。監視するんなら近くに居ないとダメでしょ?」

「一体誰なんだよその雇い主とやらは。あと監視なんかすんな」


この前も雇い主って言っていたしな。

何か俺と接点のある人だろうか?うーん?


「えー。雇い主は雇い主だよ。酷く幸神 万に執着してるよ?」

「俺に?」


俺に執着している人…うーん…。


「全く分からん」

「だろうね」


だろうねって、お前…。

俺は知らず、相手は知ってるって事だよな。

怖い。ストーカー?


「まあどこか家を借りるにしても時間かかるから暫く泊めて欲しいな。この前みたいに命は狙わないからさ」


そう言いながら楽雪は銃を向けて来た。


脅しじゃねーか!言ってる事とやっている事が矛盾してるぞ!

答えは『YES』か『はい』ってか?

ふざけんな!


結局暫くしたら出て行く事を条件に楽雪を止める事になったのだった。

暴力には勝てなかったよ…。

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