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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
7月
68/308

転校生って聞くとわくわくする



楽雪の件から数日。

暫くしたら何事も無かったかの様に生太刀は回復していた。

それと同時に痛みも引いた。


一体アレは何だったのだろうか?

まさか生太刀と俺は一心同体だとでも言うのか?


そんな事を考えつつ教室に入る。

すると、教室がいつも以上にガヤガヤしているのに気がついた。


「よお!幸神!知ってるか!?」

「何をだよ」


九頭龍が元気に話しかけて来る。

元気なのはいつもの事だが。


「今日、このクラスに転校生が来るらしいぞ!しかも女!」

「転校生?」


まだ一学期だぞ。早いな。前の学校に馴染めなかったのか?


よくよく見てみるとガヤガヤ率は女子よりも男子の方が高い。

どんな子なのか話あっている。

転校生、それも女だ。わくわくするだろう。

その気持ちは分からんでも無い。


「ほら、席に着きなさーい!ホームルームの時間ですよー!」


担任の女教師が教室に入って来る。

女子はいつもより早く、男子は光の速さで席に着いた。


「皆さんいつもその位早ければいいんですけどねぇ…。ハイ。皆さんご存知の通り今日は転校生がやって来ます。入って来て下さーい!」

「失礼します」


少女はガラリと扉を開ける。

金具がミシリと軋む。


その姿を見て俺達3人組が全員こころみたいに半眼になったのはしょうがない事だと思う。


橙色の姫カットであろう髪をツインテールにして、蝶の髪飾りをツインテールの根元につけている。

目も同じく橙色だが、それと同時に死んでいる。


ニコニコとした少女は黒板に名前を書いて行く。

しっかり名前を書き終えるまでにチョークが10本くらい犠牲になった。


鬼神(おにがみ) 楽雪(らせつ)


たどたどしい字で黒板に物理的な刻み込まれた(・・・・・・)その名前の少女はくるりとこちらを振り向く。


どよ…


ざわめくのも無理は無い。

なんてったって彼女は真照と良い勝負の美少女なのだから。


「初めまして!ボク、鬼神 楽雪!皆、仲良くしてね!」


そう彼女もとい楽雪は俺達に向けて言い放った。


「「「帰れ」」」


その時ばかりは俺達の心と声は一つだった。


☆☆☆


「ねえねえ、鬼神さんは何色が好きなの?」

「んー?橙色が好きだよ」

「誕生日はいつ?」

「8月8日だよー」

「そうなんだ!今7月だから結構近いね!」


ワイワイガヤガヤと楽雪の机の周りには人だかりが出来ていた。

転校生は大体人気者になるよな。


そんな中、一つの質問が飛び出す。


「ねえ、鬼神さんは何の部活に入るの?」

「それはね…」


楽雪はくるりと教室を見回した。

そしてピタリと見回すのを止めて俺達を見た。


「日神 真照の部活に入りたいな」


俺達の間に衝撃が走った。


5人目だ。念願の5人目だ。

しかし感じられるのは嬉しさよりも本能的な恐怖だ。命の危機と言っても良い。


この前の事を忘れたとは言わせないからな!

死ぬ程痛かったんだぞ!


楽雪の指名により視線が集中する。


「物凄く断りたいわね」


真照が顔を思いっきりしかめる。

同感だ。こんなのと一緒にいたく無い。


それに対して楽雪は煽る様に尋ねる。


「おやおや〜?良いのかなァ?入部に関してその部活が拒否する事は出来ないんだよね〜?」

「ぐ、ぐぬぅ…」


真照が握り拳を作って怒りを堪える。

言っている事は正しいから否定は出来ない。


「それに念願の5人目なんでしょ〜?損はしないはずだよ〜?」

「うっ…」


真照がくらりと揺れる。

自身の気持ちと欲を天秤にかけている様だ。

負けるな真照!頑張れ真照!


暫くクラクラしていた真照だったが急にしゃんとなった。

真照が口を開く。


「入部を…許可します…」


真照は欲に負けた。

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