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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
57/308

人には向き不向きがある



「あのね、お兄ちゃん。」

「おう」

「何で…こうなっちゃったのかな。もしわたしがあの時…。」

「…考えても仕方ないさ。過ぎた事は戻らん」


意味深に見えるこの会話。

何の話かって?


「だから…この卵の山、どうにかしような…」

「うん…。」


料理の話です。


今日は俺の家でこころと卵焼きを作っている。

理由は、こころが壊滅的に料理が出来ないから。

その練習をしているのだ。


だが、あまりにも上手くいかず作り過ぎた結果、目の前には失敗作の卵焼きが積み上がった。


ただの失敗作なら良かったんだ。

この卵焼き、何故か虹色になっている。

なお、着色料を入れた覚えはない。


「わあ、めっちゃアメリカン!カラフル!キレイダナー!」

「お兄ちゃん…無理しないで…。」


こころを慰める為に現実逃避する。

しかしこころの心の傷を抉っただけだった。


こころの心…ダジャレじゃないからな。


「…とりあえず食べて見るか。意外…エフンエフン、結構イケるかもしれない」

「今意外って言わなかった?」

「キノセイダゾー」


完全記憶能力を持っているこころには通じないかもしれないが聞こえなかった事を祈ろう。


俺は恐る恐る卵焼き(?)に口を近づける。


まずは匂いを嗅ごう。

匂いは…信じられない位香ばしい美味しそうな卵焼きの香りがする。

なん…だと…。


「いい匂いがするな」

「匂いは練習して上手になったんだ。」

「逆に高度な事してません?」


匂いって練習する事で操れるようになるのか?

初耳だよ!


見た目はキラキラとした虹色だが、これなら味もワンチャン…


そう思っていた時期が俺にも有りました。


「…!?」


な、んだ、これは…?

目の前が虹色になって歪む。

頭の上には屋内なのに満天の星空がみえる。

まるでコーヒーカップに乗ってるかの様にぐるぐる回っている様に感じる。

足に力が入らず座り込む。


「お兄ちゃん!」


俺がこころの声を聞くと同時に俺の意識は途切れた。


☆☆☆


気がついたら、俺の部屋のベッドの上にいた。

こころが運んで来たのだろうか?

小さいのにわざわざ…大変だっただろうに。


俺はベッドから起き上がる。

まだ頭がクラクラした。

思わず頭を手で支える。


「お兄ちゃん…大丈夫?」


横を見るとこころが心配そうにこちらを見ていた。


「ああ…大丈夫だ」

「良かった…。ごめんね。わたしの料理の危険性はわたしが1番理解しているのに。お兄ちゃんに食べて欲しくて。…止めるべきだったのに。」

「こころ…」


心配してくれるのは嬉しい。

俺はこころの頭を撫でた。


「気にすんなよ」

「…うん。」


こころの顔が少し赤くなる。

そして、はにかみながら笑った。


「ありがと。お兄ちゃん。」


う…うわあ…。

これ、人によっては一発ノックアウトされかねない。

美人が笑うと凄い絵になるな…。

この顔面核兵器め!人類が滅ぶわ!


美人って凄いと思った。

作「こころの作った未知の物体を食べてしまった万はSANチェックと対抗ロールです」

万「うわぁああああ」

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