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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
51/308

跳べない豚はただの豚〜走り幅跳び〜



「うおーっし!やるかー!」


そう言って九頭龍は元気良く立ち上がった。


『これより、午後の部を始めます…。午後の部第1種目は走り幅跳びです…』


放送が流れると同時に九頭龍は走り去って行った。


後には、土煙がもうもうと立ち込めていた。


☆☆☆


この学校では体育祭の種目で男女が分かれる事は無い。


その理由は、「人を傷つけなければ何でもあり」だからだ。

こころみたいに物を持ち込んで来る人もいる。


だがら、あんまり性による差が生まれない。

上手く立ち回った方が勝てる。


それはともかく、今は走り幅跳びだ。


九頭龍の横には女の子…こころのクラスの女学級委員長がいる。


ブツブツと


「私がこのクラスの智将になりたかったのに…。智神さんが智将になってしまうなんて…。悔しいです…」


そう呟いているのが風に乗って聞こえた。


当のこころは俺の横で俺に寄りかかって寝ている。

まるで人形みたいに美しい。


やっぱり反抗期じゃ無かったんだな!良かった。


頭をそっと撫でる。

眉間にシワが寄っていたが、撫でると綺麗さっぱり無くなった。


うん。こっちの方が良いな。


「むぅ…」


それを見ていた真照がこっちに近づいてきて、俺の隣に座った。


そして、ピトっとくっついた。


「ま、真照?」

「……」


一体どうしたんだ?顔は俯いていて見えない。


こんな事をしたら夜神に俺が殺されそうだが、今は大丈夫だ。


夜神はただ今絶賛気絶中だ。

消えたと思ったら真照に担がれて来たのには驚いたな。


「…撫でなさいよ…」

「へっ?」

「撫でなさいって言ってるのよ…。ほら!早く!」

「お、おう…」


俺は困惑しながら真照の頭を撫でる。

うーん、やっぱりアホ毛がふわふわしてるな。

実に触り心地が良い。


…よく考えたら俺美少女2人に挟まれてるんだよな。

そうか、これが幸せってやつか…。


多分もう一生分の幸運を使い切ったな。

俺、明日辺り死ぬんじゃ無いか?


『さアさア午後の部第1種目っ!走り幅跳びのお時間だっ!準備は出来ているかっ!?』

「「「おうっ!」」」


放送が走り幅跳びが始まる事を告げる。

まずは女学級委員長だ。


「智将は逃しましたが、やる事はしっかりやりますよ」


そう言って女学級委員長は走り出す。


そこそこの速さで走り、踏み切り板に乗った、次の瞬間。


どがんっ!


と言う音がして爆発が起こり、踏み切り板が壊れた。


「な…一体なんですかっ!?妨害ですか!?」


そう言いながら女学級委員長は上手く爆風に乗って距離を伸ばしている。

器用だな。


果たして、その距離はーー


「15メートル24!」

「「「おおおおおっ!!」」」


普通にやっていてこれなら世界記録なんだがな。

爆風に乗っているからな。


とは言え、かなり凄い成績だ。


「おー!すげーな!俺も負けてらんねーな!」


次の番の九頭龍が興奮したように言う。

そして走り出した。


走り出したその瞬間、九頭龍にかなり強い向かい風が吹き出した。


「わっ!?」

「きゃっ!?」


突然の突風に驚く。

テントが吹っ飛ばされそうな位強い風だ。


「うおおおおおおおおおっ!!」


その風に乗って九頭龍は跳んだ。


風は更に強くなり、台風と変わらないくらいになった。


か、風で前が見えない!


しゅおおおおおお…


と言う音がして風が止む。


目を開けると、着地用の砂は吹っ飛び無くなって、しかも九頭龍は砂場を飛び越えていた。


「そ…測定不能…」


どよどよと騒ぐ聴衆とは対照的に九頭龍は「凄い記録だなー!」とはしゃいでいた。

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