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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
45/308

神様(寝)の日常 わたしの1日の巻



「おい、見ろよ!『眠り姫』だぜ!」

「ジト目だ!だがそこがいい!」

「ふひゅひゅひゅひゅ…萌え〜」


ざわ…ざわ…


わたしが通るだけでこの騒ぎである。暇なのかな?


散々わたしに関する話をしているのに、誰1人として話掛けて来る者はいない。


そのまま教室の自分の机に直行する。何をするのか?と言う問いには、寝る、と答えよう。


自分の机の上で丸くなって頭のゴーグルを目に掛けて寝る。このゴーグルは特別製でずっとつけていても痛く無いし、快眠できる。さっきから眠くて仕方ない。…神力のせいだけれど。


わたしの神力は『知らないモノを無くす者』。具体的には、完全暗記と、神力を使ってインターネットの検索サイト、Googlu(ゴーグル)に繋がる事が出来る。


とても便利な能力だけれど、大量の情報が頭に流れ込んで来る。そのせいで精神力がかなり削れて、眠くなる。


だから、1日の大半は寝て過ごす。たとえそれが授業中でも。


だから…


「おや、智神さん。また寝てるんですか?さすが眠り姫。その名に恥じぬ行為ですねぇ?」


結構反感を買う。この女学級委員長…。……。名前何だっけ…?とかはよく絡んで来る。


「……。」


めんどくさいが、とりあえず体だけ向けておく。


「おや、起きましたか。やっと話を聞く気に…って寝てるじゃないですか!起きて下さい!」

「……。」


体は向けたが、目を覚ましたとは言ってない。眠い…。zzz…。


「っ…!飛び級制度で中学飛ばして高校に入ったからって、調子に乗らないで下さい!」

「zzz…。」


飛び級制度とは、小学、中学、高校、大学の卒業時に成績の良い生徒が受けられるテストの事である。そのテストの点数で飛ばせる学校が選べる。


「じゅ、13歳で中学飛ばしたから何なんですか!あと涎垂らさないで下さい!」

「すぅ…すぅ…。」


別に行こうと思えば大学院まで飛ばせたけれど…。あえて高校を選んだのは、お兄ちゃんが心配だから。


本当はお兄ちゃんの神力発現を阻止するのが目的だったけれど…。失敗した。なら、別の方向からカバーするしか無い。


「た、体育祭の智将は譲りませんよ!」

「むにゅ…。」


近々体育祭がある。この学校の体育祭はクラス対抗戦で、『智将』と呼ばれるクラスのリーダーが指揮し、クラスを優勝に導くのだ。


そして、優勝したクラスの人は…可能な限り願い事が1つ叶うらしい。体育祭の景品にしては豪華だ。


「〜っ!起きなさい!人の話を聞きなさい!」

「……。やだ。」

「起きてるじゃないですか!ってまた寝ないで下さい!」


女学級委員長が喚く。うるさいなぁ。


「知ってますよ!そのゴーグル、快眠できる装置でしょう!そのゴーグルを取れば、貴女も寝なくなるはず…!」

「あっ。」


そう言って女学級委員長はわたしからゴーグルを取り上げる。だが…。


「ぎにゃあっ!?」


バリバリっと電流が流れ、その衝撃で女学級委員長は手を離し、ゴーグルは床に落ちる。


「……。」


それをわたしはマジックハンドで拾い上げる。


「な、何ですか、これ!?あと貴女どんだけめんどくさがりなんですかっ!?」

「罠。」


対スパイ用の罠。スパイは基本つけて来る奴が多いけれど、中には強引な奴もいる。だから、もしわたしが作った物をわたしの許可無く触れた場合、電流が流れる仕組みになっている。他にも罠のバリエーションはある。


そしてこのスパイ、企業スパイである。たまにハニトラもいる。何処から嗅ぎつけて来たのか、わたしに商談を持ち込んでくる企業の多い事多い事。断ったら断ったでこうしてスパイを放って技術を盗もうとする始末。


わたしはわたしの生活を便利な物にする為に発明しているだけなのだけれど…。それに企業は目をつけるのだ。


だが、いくらお金を積まれようとも製法を売る気はない。名誉も要らない。なお、作った物は特許を取得している。


「ぐ、ぐぅ…。貴女を起こす事、諦めませんからねっ!ってもう寝てる!?」

「ぐぅ…。」


ようやくうるさいのが去った。おやすみなさい。

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