神様(笑)の日常 布教…いえ、腐教
その日、あたしは学校に筆箱を忘れた。だから、万達と別れた後、学校に取りに行く事にした。
「じゃあ、いって来まーす」
「あ、まつのですー!おねえちゃん!」
穂能がとてとてと近寄って来る。可愛いわ。
「おねえちゃん、がっこうにいくのです?」
「そうよ、筆箱を忘れちゃったのよ」
「ほのもおねえちゃんのいっているがっこうにいきたいのです!」
「え!?学校に!?」
まあ、夜だし筆箱を取って帰って来るだけだから連れて行く位良いわよね。
「分かったわ。良いわよ」
「わあいなのです!ありがとうなのです、おねえちゃん!」
この時の判断が、まさかあんな事になるとは思わなかったわ。
☆☆☆
「ここがおねえちゃんのがっこうなのです?」
「そうよ。中央高校っていうのよ」
あたし達は1ーBの教室に来ていた。ええと、ここら辺に…あったわ。あたしの筆箱ね。
「あったわね。じゃあ、帰るわよ」
「そうは問屋がおろさないのでしゅ〜」
「誰!?」
「なのです!?」
そこには少女がいた。黒髪でおかっぱ、服はち○まる子ちゃんみたいな服ね。今の時代の服ではないわね。
「ちょっと目的に付き合って貰うのでしゅ〜」
「なのです!?」
それは一瞬の出来事だった。あたしは防ぐことすら出来ず、穂能は取り憑かれてしまった。
「ふへへ…この体は貰ったのでしゅ〜」
「返しなさい!」
あたしは鏡からビームを出して攻撃する。ビームは当たった、けれど…。
「無駄でしゅ〜。暖かいだけなのでしゅ〜」
「な…」
全く効果がなかった。むしろ気持ち良さそうに目を細めている。
リボンの効果で昼と同じくらいの力が出せる様になったのに、効いてない…!?
「その光は、肉体を持つ者に効果はないでしゅ。それは取り憑きも例外ではないでしゅ」
「な…何で分かるのよ!?」
「ずっと見てれば分かるでしゅよ。3人をずっと狙ってたのでしゅ」
こいつ…!万と月宵も狙っていると言うの!?
「さあ、御招待でしゅ〜」
目の前が、真っ暗になった。
☆☆☆
気がついたら、あたしは見知らぬ部屋の椅子に座らされていた。
辺りは真っ暗で何も見えない。辛うじて座っているのが分かる位ね。
「う…穂能、万、月宵…」
助けに行かなきゃ…。そう思い、立ち上がろうとする、が。
ガタン
「あら?」
立てずに転んでしまった。手の届く範囲で調べてみる。どうやら縄で縛られているみたいね。
芋虫みたいにゴロゴロしていたら、光が差し込んだ。
「起きたのでしゅ?」
見てみると、穂能…もとい、取り憑いたお化けだった。
「アンタは…何者なのよ?」
「これはこれは、申し遅れたでしゅ。わたしは学校の七不思議の一つ、『トイレの花子さん』でしゅ」
「トイレの、花子さん…?」
トイレじゃないじゃない。差し込んだ光で本が山のようにあるのが見えるわ。どちらかと言えば図書室ね。
「腐へへ、真照…。これを見るでしゅ」
「?何よこれ?」
そこらへんにあった本を花子さんは手に取る。うっすい本ね。雑誌かしら。
「これを見るでしゅ…」
…。あれ、何だか眠く…zzz…。
「腐へへ…どう思うってあれ、寝てるでしゅ…。起きるのでしゅ!」
「はっ!?」
い、いつの間に寝ちゃったわ!く、なんて強いのかしら…。
「なんか悔しそうな顔をしてるでしゅけど、わたしの力ではないでしゅよ。真照がただ単に本に弱いだけなのでしゅ」
確かに本は苦手ね。と言うか勉強全般苦手ね。
「気を取り直して…。これをどう思うでしゅ?」
薄い本のページが開かれる。そこには、裸の男性2人が折り重なっていた。
「何で裸なのよ?寒そうだわ。あとアンタは裸の絵を見せて何がしたいのよ?恥ずかしいじゃない!セクハラかしら?」
「…!?じゅ、純粋でしゅ…!ま、眩しい!」
よく分からない絵ね。
「く…まだ諦めないでしゅよ!今度は万と月宵の方でしゅ!」
そう言って花子さんは消えてしまった。何しに行ったのか知らないけれど、嫌な予感がするわ。
あたしはアホ毛…もといケサランパサランの白丸に指示を出す。
「白丸!万と月宵を助けてあげて!」
「ぺけけ(分かりやした!姐さん!)」
白丸はふよふよと飛んで壁に消えた。
あたしはリボンに指示を出して縄を解く。リボンはにゅっと伸びて器用に縄をほどいた。
よし、これで自由になったわね。携帯で万に連絡…って、あら?携帯がないわ。おかしいわね。
「万、月宵、無事でいて…!」
花子さんが何処に行ったのか分からない。あたしには祈る事しか出来なかった。
それからしばらく後。万と月宵が助けに来て、花子さんは倒された。
元の教室に戻った時、穂能が何故か万にくっついていた。
「むぅ…」
何かしら、この胸のもやもやは?穂能が羨ましく感じたわ。
次回のキャラクター説明回で5月編終了です。




